タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/hocuspocushr (12)

  • 祝四周年 -  陰陽師的日常

    祝四周年 昨日11月3日はサイトを開設して四周年目の記念日に当たります。 ブログはその前の10月中、ということしか記憶にないのですが(笑)、サイトの方は事前にある程度日数をかけて準備して、きりのいい「文化の日」に開いたのではっきりと覚えています。 というか、同じ日に近所のパン屋さんがオープンして、このあいだから「四周年セール」のお知らせが出てるんです。それを見て、ああ、サイトももう四周年になるのか、と感慨を新たにした、というわけです。 なんだかんだありながら、四年間続けられたことをうれしく思います。 わたしが最近、違和感を覚える言葉のひとつに、「経験値」というものがあります。 来なら「経験を積んで」というはずのところを、「経験値を積んで」と言う人が少なからずいるのです。わざわざ「経験」に「値」つける。使っている人にとっては同じようなものなのかもしれませんが、「経験」と「経験値」、わたしに

    祝四周年 -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/11/09
    経験と経験値について。
  • 友だちの話 -  陰陽師的日常

    他人の目というのはいい加減なもので、どういうわけか小さい頃から「活発」というレッテルを貼られていた。それも同じ年頃の子ではなく、大人の目からそう見えるらしかった。 実際のわたしは、といえば、自分の興味のある話は周囲の誰も興味がないし、人といるよりはひとりでを読んでいた方がずっと良かったのだが、学校でも、休憩時間に教室や図書館を読んでいると、どうして友だちと遊ばないの、と先生が聞いてくる。下手をすればそんなことぐらいで親が呼び出しを喰らう。そのあと、親からも、友だちがどれほど大切か、延々とお説教まで喰らうことになる。仕方がないから、帰る方向が同じ子や、たまたま同じ班になった子、席が隣になった子と「友だち」になった。自分がしたい話をすると、たいてい相手はあからさまにいやな顔をするので、いつも相手の話を聞いていた。適当に相づちを打って、話を整理してあげると、相手は喜んで「親友」と呼んでくれ

    友だちの話 -  陰陽師的日常
  • 塩の話 -  陰陽師的日常

    暑くなると喉が渇く。ついどうしても冷たい飲み物がほしくなる。麦茶を毎日作り、冷蔵庫にストックしておくが、すぐになくなってしまう。 ところがついうっかり飲み過ぎると、こんどは胃が痛くなったり、気持ちがわるくなったりすることになってしまう。胃液が薄くなってしまうからだろう。 スポーツドリンクというのは、あの薄い甘みが好きではなくて、あまり自分から進んで飲むようなことはしないのだが、やはり汗を大量にかいてしまうようなときは、お茶よりもスポーツドリンクの方がいいのかもしれない。 だが、スポーツドリンクのラベルには、なんのかんのと書いてあるが、結局のところは麦茶を飲んで、塩をちょっとなめるだけでいいのかもしれない。 塩は人間が最初に使うようになった調味料である。紀元前2000年以前のパピルスにも「塩漬けの野菜ほどうまいものはない」と書いてあるらしい(『「塩」の世界史』)。これは塩が人間の体を維持して

    塩の話 -  陰陽師的日常
  • 汚いはきれい、きれいは汚い -  陰陽師的日常

    先日、こんなニュースを見た。 英消費者雑誌がロンドン市内の一般的なオフィスにあるコンピューターのキーボードとトイレの便座、トイレのドアの取っ手についての調査を専門家に依頼したところ、驚くような結果が明らかになった。 調査を行った微生物学者は、対象となった33枚のキーボードのうち4つは健康被害を及ぼす可能性があり、その中の1つはふき掃除した便座の5倍不潔なレベルのバクテリアが確認されたとして、オフィスからの撤去を推奨した。 同調査を依頼した「Which? Computing」誌のサラ・キドナー編集長は、「ほとんどの人たちは自分のパソコンに付いた汚れについてさほど気にしていないが、もし掃除していないとすれば、ランチをトイレでべているのと同じようなものだ」とコメントした。 一応わたしはウェットティッシュや綿棒を使ってキーボードは掃除をしていますが……。 ただ、このニュースを見て改めて思うのは、

    汚いはきれい、きれいは汚い -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/06/14
    |たとえこのニュースを見たとしても、自分の使っているパソコンのキーボードと、公衆トイレのドアのどちらが「汚いか」というわたしたちの意識は、おそらくきっと変わらないはずだ。|
  • 『アンネの日記』とベルリンの壁 -  陰陽師的日常

    『アンネの日記』を図書館で借りて読んだのは、小学校二年のときだった。たちまち夢中になったが、おそらく当時引かれたのは「隠れ家」とか、日記に名前をつけて呼びかけるとか、そんなところだったのだろう。机の下にもぐって、そこを秘密の隠れ家に見立て、ナチスにつかまらなかった「もうひとつのアンネ・フランクのストーリー」を頭の中で繰りかえし考えていたような記憶がある。 学校では週に一時間だったか二時間か、フランス語の授業があって、その時間は黒い服に身を包んだ外国人のシスターが授業をしてくれた。一年で教わったフランス人のシスターが、背も低く、顔も手も何もかもが丸かったのにくらべ、二年になって教わったドイツ人のシスターは、背が高く、高い鼻は鷲鼻で、顔も体もごつごつと骨張った人だった。フランス人のシスターがほとんど日語が話せなかったのに対し、この人は日語が大変上手で、授業の合間にさまざまな話を教えてくれた

    『アンネの日記』とベルリンの壁 -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/06/07
    ザビーネ・ライヒェル『目に見えない傷跡―お父さん、戦争のとき何をしたの?』亀井よし子訳(晶文社)からの引用を含む。
  • 修正する話 -  陰陽師的日常

    高校二年の冬休み、有名講師の授業を受けに、予備校の冬期講習に行ったことがある。 授業そのものの記憶はまったくないのだが、最前列の真ん中、講師の正面を指定席にしている生徒がいた。講師とも顔なじみだし、雰囲気も大人っぽい。黒っぽいシックな格好をして、わたしの目から見ると女の子というよりすっかり大人の女性のように見えた。高校生ではなく、浪人生らしかった。授業中にも講師の発言を先取りするようにあれやこれやと意見を出し、それがまた、なんとも頭の鋭さがうかがえるような発言で、すごいものだなあ、頭がいいというのはああいう人のことをいうのだなあ、と感心していた。授業よりも、毎日、その人の頭が切れるところを見に行ったようなものだ。そのクラスが終わるときには小さなブーケを講師に渡し、講師も、来年こそはきみの顔を見ないですむといいな、と軽口を交わしていた。 翌年の夏期講習も、やっぱりわたしはその講師の授業を受け

    修正する話 -  陰陽師的日常
  • 良い人? 悪い人?? -  陰陽師的日常

    その1.「良い」主人公の許しがたい行為 ミステリや時代小説などが顕著だろうが、そうでない作品でも、わたしたちはたいていのときを読みながら、半ば無意識のうちに「良い人」「悪い人」と分類している。 たとえば夏目漱石の『坊ちゃん』などはその典型で、見事なまでに「良い者」「悪者」がはっきり分かれており、わたしたちは主人公の「坊ちゃん」に寄り添って作品の世界に入っていく。 ところが主人公は必ずしも「良い者」ばかりではない。 たとえば森鴎外の『舞姫』など、恋人のエリスを捨てて、日に帰国してしまう主人公の太田豊太郎は、わたしたちの感情移入を拒むような人物である。だが、一方で、彼はあきらかにそう設定されているのだ。自分の恋愛感情ではなく、日のために自分の修めた学問を役立てる道を選択した人間、世間的に成功しても、みずからに対する尊敬の念を取り戻すことはできない人間として、作者によって造型された登場人物

    良い人? 悪い人?? -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/03/23
    角野栄子『魔女の宅急便』のワンシーンについて。志賀直哉や「時計仕掛けのオレンジ」を扱った一連の続くエントリもおもしろい。
  • 塩の話 -  陰陽師的日常

    なんとなく尻切れトンボで終わった感じもする昨日のログではあるが、ともかく東インド会社という一企業が、一時期ではあるが、インドという国を統治していたことがわかってもらえただろうか。 ともかく、イギリスにとってインドは格好の就職先だった。貧乏貴族にとっては没落を防止する最後の砦として、一方、総督はじめ高位高官のほとんどは貴族で占められていたものの、実質的にインド統治にあたった官僚や軍の将校は圧倒的に中流階級が多かったのだが、彼らにとってはイギリス国では得られない活躍の場が与えられたのである。 だが、統治されたインドの側はどうだったのだろう。 ここでは東インド会社がインド国民に課した税には、こんなものがあったということを紹介しておきたい。 イギリスは巨大で人口もまた膨大なインドを支配しづけるために、富裕な王族や地主の支持が必要だった。そのために彼らには課税しなかった。だが、インドの多くの国民は

    塩の話 -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/03/16
    東インド会社支配下での塩税、そしてガンジーが塩を自ら作った「塩の行進」の意味。
  • 東インド会社に就職するには -  陰陽師的日常

    サマセット・モームの "The Outstation" の訳語を探すために、いくつかイギリスの植民地統治についてのを読んだのだが、おもしろいことがわかった。まあ、こんな話は興味がない、という人は、スルーしてくださいな。 イギリス東インド会社というのは、確かに会社なのである。正式名称は "Honourable East India Company" 「誉れ高き東インド会社」というゴージャスな名前である。ただこの "Honourable" は植民地などの行政官に対してもつけられる敬称なので、実際には特に意味はない。 この東インド会社というのは、ロンドンの「冒険商人」の組織する純民間会社である。ところがこの民間会社、インドにあっては政府として機能するのである。 東インド会社は商社でありながらインドに領地を得たことによって、領地の統治者=政府となった。われわれにはなかなか理解しにくいが、約二〇〇

    東インド会社に就職するには -  陰陽師的日常
  • 名を、名を名乗れっ! -  陰陽師的日常

    電車に乗って、たまたま空いていた四人がけの座席のひとつに腰を下ろしたら、残りの座席三つを埋めていたのは小学校の高学年、おそらく十歳から十二歳ぐらいの女の子たちだった。彼女たちはわたしに気兼ねをしながら、それでも話をするのが楽しくてたまらないとばかりに、小声で断片的に何か言いかけては、クックッと笑いをかみ殺すのに必死だ。わたしは聞いていませんよ、聞くつもりもありませんよ、という意思表示に、かばんからを取りだして読みはじめた。それに安心したか、彼女たちの声は徐々に大きくなり、聞こうという積極的な意志がなくても、何を言っているか否応なく耳に入ってしまう状態になったのだった。 どうやら彼女たちはまだ日もあるにもかかわらず、二月の声を聞くや待ちきれず(?)ヴァレンタインデーのチョコレートを買いに遠征してきた帰りらしい。A君がどうだの、B君は誰が好きだの、C君は誰それと「ラブラブ」だのと延々と名前ば

    名を、名を名乗れっ! -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/02/04
    名前を呼ぶこと/呼ばれることと自分自身について。
  • 価値ある情報、無価値な情報(※補筆) -  陰陽師的日常

    SF小説はそれほど読んでいないのだが、それでも高校時代の一時期、フィリップ・K・ディックやレイ・ブラッドベリなどの超有名どころの作品をせっせと読んでいたころがある。そうなると、自分も何か書いてみたくなるもので、いつもああでもない、こうでもないと頭の中でさまざまな「近未来」を空想していた。 ひとつ思いついたのが、「情報」が通貨の代わりになる社会である。 個々人が入手するさまざまな情報を、それを査定してくれる場所に持っていけば、情報のランクに応じて物品と交換してくれるのである。 どうでもいい情報なら、最低ランク。 「秘密情報」は高いランクがつくが、なかでも有名人のスキャンダルとなると、最高級ランク、ヨットが買えるほどである。 当然そうした「情報」に高い価値の置かれる社会であるから、人々の情報の取り扱いは慎重をきわめる。それでも洩れ出す情報に、高い値がつくのである。 そうしたなか、どうかした拍子

    価値ある情報、無価値な情報(※補筆) -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/02/02
    力としての情報と情報がもたらす「価値」の構造について。知られたいはずの情報は|ひとりで抱え込んでいるだけでは、言葉を換えれば知っていることを誰かに知ってもらわなければ、価値にはなっていかない。|
  • 「がんばれ」の代わりに -  陰陽師的日常

    ひところはだれもが挨拶代わりに「がんばって」だの「がんばれ」だのと言っていたような気がするのだが、近頃ではめっきり耳にすることも少なくなった。 そのころ、相手が受験生だったりすると、「それじゃがんばって」という言葉にも切実さがこもったのだろうが、それ以外の相手であっても、特に具体的に何かをがんばってほしい、という願いをこめるようなことは全然なく、まあいろいろあるけどがんばってね、ぐらいの軽い調子で使っていたように思う。 「がんばってください、って英語ではどういうの?」と聞かれることも多かった。当時は映画スターにファンレターを書く子も周囲には少なくなかったのだ。いまの子はどうしているのだろう? 個人サイトを持っている人だったら、そこ宛にメールが出せるようになっているのだろうか。ともかく、わたしはたいてい「アメリカ人やイギリス人ってがんばらないからがんばれ、っていう言葉はないんだよ」と答えてい

    「がんばれ」の代わりに -  陰陽師的日常
    ushiwatat
    ushiwatat 2008/02/02
    「がんばれ」「がんばって」と日本人。例の二人の子供が興味深い。|以前「バイバイ」と人から言われると泣き出す、という子がいた。||お客さんが片づけ始めると寂しくなって、その子は泣いて暴れるのだそうだ。|
  • 1