本連載では、電通の新たな消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(電通デザイアデザイン:以下DDD)」メンバーが、「欲望」を起点とした消費者インサイトやアプローチ方法などについて紹介していきます。 <目次> ▼はじめに ▼いきなりで恐縮ですが結論めいた話です ▼“底上げされたリアル”で、タガが外れる ▼“行き場を失ったやる気”で、タガが外れる はじめに 日本人のイメージとは、どんなものでしょうか。海外からの旅行者がインタビューなどでよく答える「時間に正確」「勤勉」「仕事が丁寧」「礼儀正しい」「親切」などの日本人に対する感想。これらは概ね、日本人が抱く日本人の自己イメージでもあり、多くの日本人が「そうありたい」と願う美徳でもあるでしょう。 しかし近年、これらのイメージを覆すような出来事が多く見られるようになってきた、と感じている人は少なくないのではないでしょうか。毎日
ネットメディアは転換期を迎えている 瀬尾傑氏(以下、瀬尾):すごくたくさんの方が集まってくださっています。今日は「メディアとプラットフォームの今後はどうなる?」という話です。 メディアといった場合に、僕や津田さん、藤代さんはニュースメディアで語りがちですが、プラットフォームも含めて、本当はメディアってもうちょっと広いんですね。今日はもっと広げて議論をしたいと思っているんですが、一番最初にニュースメディアの話をしたいと思っています。 今、ニュースメディア、特にネットメディアが転換点にある感じがします。10年ほど前にバイラルメディアなどが注目されて、新興メディアがけっこう出てきました。 その後ビジネスモデルが変わり、既存の新聞やテレビが苦戦していく中で「BuzzFeed」や「ハフィントンポスト(現ハフポスト)」「NewsPicks」など、いろいろなメディアが出てきたんです。 みなさんご存じのよ
CULTURE | 2023/09/29 SNSで「敵」の悪口を書き連ね、仲間内だけで褒め合っているだけでは無意味 「本当に社会を変える」のに必要な戦いとは何か?倉本圭造×橋本直子対談(前編) 連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」特別編 文・構成・写真:神保勇揮(FINDERS編集部) 橋本直子氏(写真左)、倉本圭造氏(写真右) ※対談中編はこちら ※対談後編はこちら FINDERSで連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」を手掛ける倉本圭造氏の対談シリーズ第3弾として、難民・移民政策の専門家である一橋大学の橋本直子氏との対談をお届けする。 橋本氏は、これまで大きな反対運動が巻き起こりながらも、今年6月に成立した改正入管法に関して、立憲民主党推薦の参考人として「修正協議」を訴えた人物で、政府提出の法案に反対し修正案を提案していた。修正案は一時は合意しかけたものの、改正案そのものの廃案を
今や日本人の80%以上が利用しているとも言われるSNS。特に若年層にとってはもはや生活の一部となっている。恋人へのノロケ話や、バイト先についての愚痴、社会問題への意見……。リアルの人間関係を円滑にしたり、自分の心のバランスをとったりするために必要不可欠、という人もいるだろう。 しかし人々がSNSに慣れすぎてしまった弊害も出ている。今年1月には回転寿司店での迷惑行為が社会問題化するなど、SNSへの投稿のリスクが増大しているのだ。 そんな“1億総SNS時代”の就職活動において、企業側が採用候補者の素顔を知るために活用し始めているのもまたSNSだ。特に注目されているのはいわゆる“裏アカ”。本名を明かしている“本アカ”とは違い、裏アカでは名前や属性を隠し、親しい友人たちにだけ公開するなどクローズドな使い方をされることが多い。
近年はTikTokやYouTubeで多くの人々がコンテンツを発信しており、一部の親は自分の子どもにフィーチャーした写真や動画、マンガなどを公開しお金を稼いでいます。世間で日常生活を収益につなげるインフルエンサーがもてはやされる陰で、親によって子ども時代をコンテンツ化されてしまった子どもたちの苦悩の声を、10代に焦点を当てた海外メディアのTeen Vogueが取り上げています。 Influencer Parents and Their Children Are Rethinking Growing Up On Social Media | Teen Vogue https://www.teenvogue.com/story/influencer-parents-children-social-media-impact Teen Vogueがインタビューしたクレアさん(仮名)の本名を検索すると
SNSにおける誹謗中傷から国と国との争いにいたるまで、現代社会はさまざまな分断を抱えている。そんな私たちのまわりで起こっている分断に着目し、大阪大学グローバルイニシアティブ機構招へい研究員の佐久間洋司氏は、内閣府が主導するムーンショット型研究開発事業にて、2050年に人類が調和した社会を実現するために必要な研究開発計画を立てる調査研究プロジェクトを行なった。 デジタル技術の進化は、人々の分断を解消し、世界に調和をもたらすことができるのだろうか。CINRAでは、デジタル技術が発達し、リアルと融けた未来にいる人々を「メタ・サピエンス」と名づけ、その行動原理を探究する記事を「HUMANITY(人類)」と「LIFE(生き方・文化)」、「SOCIETY(社会基盤)」に分類して発信。今回は「LIFE(生き方・文化)」のリーダー・佐久間氏の研究が実現した先にある「調和の世界」を生きるメタ・サピエンスのあ
社会のことから、ごく個人的なことまで。me and youがこの場所を耕すために考えを深めたい「6つの灯火」をめぐる対話シリーズ、「i meet you」。アメリカのZ世代にまなざしを向け、アメリカ事情・カルチャー・アイデンティティにおける変化の現象からこれからの社会のかたちを考える竹田ダニエルさんにお話をうかがいました。このテキストは、me and youの本『わたしとあなた 小さな光のための対話集』にも収録されています。 「世代」という言葉は、「その年代の人々の特徴」を語るためによく使われます。あるいは、マーケティングの用語として耳にすることもあるかもしれません。「世代」とひとことで言っても、一人ひとりの生育環境も、考え方ももちろん異なり、決して個人をひとくくりにはできません。そのうえで、世代の違いによってお互いを「わかりあえない」と感じたり、逆に「世代でくくることには意味がない」とい
特集「140字の戦争」に敗け「かわいそうランキング」で地に墜ちるプーチン〜〜〜弱者と強者の入れ替え可能性についてあらためて考える 「かわいそうランキング」とか「弱者競争」といったネットのスラングが当たり前のように使われるようになったのは、この10年ぐらいのことです。昭和の時代には一般的だった「家父長制における強い中年男性」という男性像は過去のものとなり、男性の多くはブラック労働に苦しめられていたり、リストラに脅えていたり、非正規雇用で社会から見棄てられていたりと、弱者に転落しています。 そういう現代社会でも、昭和から現れた過去の亡霊のような「強い男性」は残存しています。森喜朗元首相とか、しばらく前に脱税で逮捕された日大の田中英壽理事長とか、日本ボクシング連盟を私物化して不祥事を大量に起こしていた山根明会長とか、そういう人たちです。外見も、昔の時代劇に出てくる悪徳代官みたいな人たちばかりで非
特集 シンパシー(同情)ではなくエンパシー(感情移入)を 〜〜〜テクノロジーが強者と弱者の関係を対等にする 英語のエンパシー(empathy)は共感とか感情移入という意味。シンパシー(sympathy)とエンパシーの違いがときどき話題になりますが、シンパシーが同情とか思いやりなど、言い方は悪いのですが相手を少し下に見る「憐れみ」のような感情であるのに対して、エンパシーは相手の感情をそっくり自分のものとして感じるということ。つまりは「感情をそのまま移入すること」であり、相手と対等なのです。 貧困などについての記事を読むと、人は「なんてかわいそうなんだろう」「悲惨な境遇から抜け出せればいいのにね」と感じますが、その感情はエンパシーかシンパシーかと言われれば、実のところ「憐れみ」の入り混じったシンパシーであることが多いのではないでしょうか。 貧困に関心を持つことは大事です。しかし同時に、このよう
日本版Billboardとして、2008年からヒットチャートをスタートさせたBillboard JAPAN(ビルボードジャパン)。 CDセールスやダウンロード数、ストリーミング数のみならず、動画の再生数やツイート数、カラオケで歌われた数など、複数の指標に独自の係数を掛け合わせて合算。総合ソングチャートとして算出している。 グッズや握手券など、音楽以外の付加価値によって上下しやすい単一のセールスランキングと比べ、Billboardのチャートは複合的な観点からつくられ、より“音楽的”であると評価されてきた。 さらに時代の変化に合わせて、新たな指標の導入や係数の見直しを実施。時代を映す鏡として、音楽シーンを語る上で欠かせない存在となっている。 その一方、ここ数年ますます影響力を強めているのが「ファンダム」の存在である。 熱狂的なファン集団やその文化を指すファンダム。そのエネルギーは音楽産業に光を
執筆者の属性、活動内容についてはこちら 何故か反ワクチンデモに紛れ込む、「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?」先日筆者も取材した神真都Qデモは1月23日にも行われ、多数の画像がSNSにアップロードされていた。その中で、札幌で撮影された集合写真に何故か「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?スマホで検索」と書かれたプラカードが掲げられていたため話題になっていた。 反ワクチンデモのプラカードに、なぜピカチュウの話題が書かれているのだろうか? このツイートの反応の中には、「面白がって参加した愉快犯によるものではないか」と言う人もいたがそうではない。このプラカードを掲げている人物は恐らく真面目に主張している。 結論から言うと、これは「世界線の移動」に気づいてもらうためのものだ。 一体何を言っているのか分からない人がほとんどと思うので、順を追って説明していく。 事実とは異なる記憶 - マンデラエフェクト先ほ
【変更履歴】(2022/1/23以降で「追記」ではなく本文を変更したもの) 2022/1/23 アゴラ編集部を批判した文章を一部変更しました。(アゴラ編集部が問題となった誤情報の拡散について謝罪・訂正されたため。) 2022/4/5 オープンレターが削除されたため、それに合わせて変更。また本文を整理。なお、アーカイブは現時点では残っているようです。今回のテーマは、Twitterネット論壇を大騒動にしていて、「自主規制」の嵐が吹き荒れている「女性差別文化に反対するオープンレターに関する問題」について――なんだけど。 なんだけど。 私としては、「オープンレターの中心」と名指しされている小宮友根・東北学院大学准教授に的を絞るわ。 小宮さんが中心になり、今回の件についてオープンレターを作ってくださいました。賛同者も募っていますので、関心のある方はご覧ください。https://t.co/FvX0nB
暴かれたFacebookの「もう一つの顔」 この9月半ばに唐突に始まったWall Street Journal(WSJ)の特集が、Facebookの今後に新たな影を落としている。 その名もFacebook Files。 いわゆる調査報道(Investigating Report)の類いで、WSJの記者が手に入れたFacebookの内部資料、内部文書をもとに記されたFacebookの内情という趣だ。公開をためらった内容である点で、Facebookの現在抱えている問題を示すとともに、それらの扱いに困惑する経営陣の様子も伝えている。 最初は5日連続の掲載だったので全5回の特集かと思っていたら、その後も新たな報告が加えられた。不定期の掲載も含めて、このFacebookの極秘資料を暴く「ファイル」は今後も積み上がっていくのかもしれない。 まずはこれまでの内容を振り返っておこう。 第1回では、Face
品川駅のコンコースに表示された「今日の仕事は楽しみですか」という広告が物議を醸し、広告を出稿していた広告主が謝罪し広告を停止するという騒動がありました。 参考:「今日の仕事は、楽しみですか」品川駅の大量広告、「出勤時に見ると傷つく」と批判→1日で取り下げ NewsPicks関連企業 この広告を出稿したアルファドライブ社が、経済メディアのNewsPicks社の関連企業であり、過去にNewsPicks社が「さよなら、おっさん」という過激な新聞広告で物議を醸した歴史があることから、今回の広告も過去と同様の話題を集めるためのいわゆる「炎上マーケティング」ではないかという見方も少なくないようです。 参考:NewsPicksの広告「さよなら、おっさん」はいけない。 ただ、詳細を調べてみると、どうも今回の騒動は様子が違い、どんな企業でもありえるSNS時代における広告のリスクが可視化された事例のようにも見
映画やテレビの普及が、遠い世界の出来事を“見えるもの”にようにしたように、インターネットにおけるソーシャルメディアの普及は、それらをさらに身近に見えるものにし、関与できるようにした。そしてそれは、2021年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターに対するプロテスターたちの闘い方も変えている。ソーシャルメディア上で拡散される「アートピース」が、彼らの新たな“武器”だ。 クーデター発生後、ミャンマー国内のみならず、世界のさまざまな場所で人々はインターネットを介して抗議の意思を、「アートピース」とともに発信しはじめた。自身で作ったものであろうと、だれかが作ったものであろうと関係なくシェアされ拡散され、大きなムーブメントに繋がり、世界中に新たな連携を生みだしている。 いち早く動きだし、10日間で6,000人を集め、迅速に“目に移すこと”“連帯すること”をすすめてきた、運動の原動力となるアートコ
キッチンDIVEにて酔っぱらっいが暴れた事件でネット上を中心にソーシャルジャスティスが絶賛発動中だけどいつからかこういう小競り合いにたいして発言すること自体を躊躇うようになった。 緊急事態宣言中の深夜に泥酔しマスクもせず来店、スタッフに因縁をつけ暴言を吐く。 スタッフの退勤時間を聞き出そうとし、更には殺ってやるからな!と脅迫。 終いにはスタッフに現金を投げつける暴行を働いた2名の人物を絶対に許しません。 既に警察署に被害届を提出しました。 pic.twitter.com/whGcmmrSaD — キッチンDIVE 24時間営業中 御徒町店準備中 (@divemamuru) 2021年6月1日 事件の動画を見るに暴言を吐いている人を糾弾したくなる気持ちはよくわかる。善悪で判断した時に彼の行為が悪であることは間違いない。それとは全然別の議論として動画をネット上で拡散し社会的制裁を加えることに違
こんにちは!けんすうという名前で、インターネットサービスとかをよく作っているものです。 このnoteでは「何者かになりたいという欲を刺激して、一部のインフルエンサーと大量のワナビーを作りだすようなSNSがそろそろ飽きられて、違う目線のSNSが増えていくんじゃないかな?」的なことを書きます。 ----- 予防線 ------ あ、ちなみにまとまりは全くない、ふわふわした記事です。ロジックも何もないので、注意です。 なんでこんな記事を書いたかというと、5年くらいに振り返った時のためです。 こういう未来予測は「未来なんて予測していないで自分で創ろう」派ですし、自分でも創っているんですけど、あの時のあの空気感で、何を思って創ってたか、というのは残しておかないと、自然と自分の頭の中で、結果に合わせてストーリーをでっち上げちゃったりするので、積極的に残しておいたほうがいいなあ、と最近思っています。 と
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く