安田純平さんが帰ってきた 危険地を敬遠する組織メディアの記者たち。危険地取材の意義を改めて考えたい 石川智也 朝日新聞記者 慎重で沈着、私の知る彼そのもの 安田純平さんが、帰国した。 解放直後に公開された動画や機内での報道陣とのやりとりをみる限り、やつれた表情ながらも受け答えははっきりしており、口調も冷静でしっかりしている。健康状態にも問題はないという。 その慎重で沈着な姿は、私の知る彼そのものだ。友人として喜びの感情がわく前に、3年4カ月に及ぶ過酷な拘禁状態を耐え抜いた強靱な精神力にまず驚き、敬意を抱いた。 拘束生活のうち8カ月間は高さ1.5メートル、幅1メートルの独房に監禁され、「虐待状態がずっと続いていた。精神的な負担もかなりあった」という。 7月末にネットに投稿された動画のなかで安田さんは「私の名前はウマルです。韓国人です」と不可解な発言をしていた。これについては「拘禁反応で錯乱状
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