『イタリアの鼻――ルネサンスを拓いた傭兵隊長フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ』(ベルント・レック、アンドレアス・テンネスマン 著 藤川芳朗 訳 中央公論新社) 定価:本体3200円+税 タイトルにあるとおり、なるほど表紙に描かれた肖像では、やたら鼻が目につく。いろいろな意味で強そうな男だ。何しろ傭兵隊長である。恐ろしく強くなければ仕事は務まらないだろう。金で雇われて戦う仕事だし、武力も精神力も相当なものに違いない。現代でも傭兵を生業(なりわい)としている人間がいるようだが、ルネサンス期となれば、華々しい活躍をした人間が多くいたのは知っている。 ダ・モンテフェルトロ家とは、13世紀から16世紀初頭まで、イタリアのウルビーノの公国の君主となった一族。この中にフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロがいた。1422年に生まれ(ウルビーノ家の領主の非嫡子)、1482年に死去した人物。ローマ教皇領、ミラ
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