昨年12月17日、北朝鮮の最高指導者・金正日総書記が逝去した。朝鮮中央テレビが2日後の19日正午、「特別放送」で発表してから、北朝鮮情勢は内外で大きく取り沙汰されている。謎めいた後継者の金正恩なる人物、その政権の構成・特徴、そして行方など、今にいたるまで、関連の記事や発言は絶えない。ただヘソ曲がりな歴史屋は、そんな過熱ぶりにあえて少し水を差してみたいと思う。 中国が示した手厚い弔意 その意図は? 北朝鮮が金正日の死を対外的に発表したその日、中国は共産党中央委員会・全国人民代表大会常務委員会・国務院・中央軍事委員会の連名で、800字を超える長文の弔電を送った。南隣の韓国、あるいは日本やアメリカが、公式には弔意を示さなかったのに比べると、きわだった対応である。 12月21日、このことを報道した香港のマスコミが、中国が手厚い弔意を示した意図は、国際社会に対し「北朝鮮の現状を変えようとするな」との