数ある官僚機構のなかでも、一目置かれる古株といえば、国際電気通信連合(ITU)だ。1865年に電報通信の円滑化を目的に設立されたこの組織は、その役割を拡大し続け、現在では無線通信や電話関連の業務もこなすようになっている。 そのITUも、インターネットに関しては事実上、何の影響力も持っていない。インターネットは依然として、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)、IETF(Internet Engineering Task Force)、W3C(World Wide Web Consortium)、そして各ドメインを管理する地域レジストリといった専門機関の領域となっている。 国連の関連機関であるITUは、この状況を変えたいと考えている。ITUのHoulin Zhao電気通信標準化局長は昨年、「インターネット統治には新