働き方改革関連法案は閣議決定され国会で本格的な論戦が始まる。その前に言っておきたい。これまでの法案を巡る政府の対応は不適切、不誠実だった。肝心の働く人々が置き去りにされている。 安倍政権が「働き方改革」を掲げる狙いは、経済界が望む裁量労働制の対象拡大と労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)創設の規制緩和策を実現しアベノミクスを推し進めることではないのか。それに差し障りのある情報は隠したい。その姿勢が論議を混乱させている。
![東京新聞:働き方法案 これでは過労死防げぬ:社説・コラム(TOKYO Web)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f79bb170fb72420cffe0e16be9bba5636a73d9b8/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.tokyo-np.co.jp%2Fimg%2Flogo_social.png)
大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友(もりとも)学園」(大阪市淀川区、籠池(かごいけ)泰典理事長)に評価額の14%の値段で売却された問題に関し二十四日、昨年六月の売買契約を巡る売り主の近畿財務局と学園側の交渉や面会の記録が、既に廃棄されていることが分かった。財務省の佐川宣寿理財局長が衆院予算委員会で明らかにした。 (横山大輔) 佐川氏は、記録は同省の文書管理規則で保存期間一年未満に分類されるとし、「売買契約の締結をもって、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」と説明した。これに対し、共産党の宮本岳志氏は「契約と同時に破棄したのでは調査しようがない。隠蔽(いんぺい)と言われても仕方がない」と批判した。 国有地は、小学校用地として当初の評価額九億五千六百万円から、生活ごみや廃材の撤去費用八億円余りを差し引き、大幅に安い一億三千四百万円で売却された。民進党など野党側が経緯が不自然だとして国
内閣府が十五日発表した二〇一五年十~十二月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・4%減、この成長が一年続くと仮定した年率換算で1・4%減となり、二期(六カ月)ぶりにマイナス成長に転じた。GDPの約六割を占める個人消費が落ち込んだことが響いた。 (山口哲人) 政府は一五年度の実質成長率の目標(経済見通し)を1・2%としているが、実現には一六年一~三月期で前期比年率8・9%の大幅な伸びが必要になり、達成は極めて困難な状況だ。 一五年十~十二月期は個人消費が前期比0・8%減と二期ぶりにマイナスに陥り、成長率全体を押し下げた。物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、消費者心理が冷え込んでいる。暖冬で冬物衣料や灯油などの販売が振るわなかったことも響いた。
放送局に「電波停止」を命じる可能性に言及した高市早苗総務相の発言が波紋を広げている。政権の“脅し”とも受け取れるからだ。放送とは国民のものであるという原点に戻り考えるべきだろう。 問題の発言が飛び出したのは、八日の衆院予算委員会だった。「放送事業者が自律的に放送法を守ることが基本だ」としたうえで、高市氏は「放送事業者が極端なことをして、行政指導しても全く改善しない場合、何の対応もしないとは約束できない」と答えた。
厚生労働省が八日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、二〇一五年の働く人一人当たりの給与総額(名目賃金)は月平均三十一万三千八百五十六円で、前年より0・1%増えた。増加は二年連続。ただ物価上昇の方が大きかったため、物価の影響を考慮した実質賃金は0・9%減で、四年連続のマイナスだった。 多くの大企業は一五年春闘で、賃金を底上げするベースアップ(ベア)を二年連続で実施したが、賃上げは物価の伸びには追い付かず、働く人が景気回復を実感する状況にはなっていない。 給与総額を就業形態別にみると、正社員などフルタイムで働く一般労働者は0・4%増の四十万八千四百十六円、パート労働者は0・5%増の九万七千八百十八円だった。働く人のうちパートの占める割合は30・46%で、過去最高を更新した。 働く人全体の給与の内訳は、基本給などの所定内給与は0・3%増の二十三万九千七百十二円で、十年ぶりに増加。残業
「日本人そのものが卑怯(ひきょう)になっている気がするんです。情けない日本人になってきた。その怒りをこの作品にぶつけたい」。劇作家の倉本聰(そう)さん(81)が作・演出を手掛けた公演「屋根」が七年ぶりに再演され、二月五日から東京公演(新国立劇場中劇場)が始まる。笑いあり、涙ありの物語の中に、経済優先で突っ走った戦後社会への厳しい視点が貫かれている。 (瀬口晴義) 東京から北海道の富良野に移り住んだ約四十年前、倉本さんは原野の中を歩き朽ち果てた廃屋を探した。腐った床板の向こうには、農業を捨てざるを得なかった一家の残り香が色濃く漂っていた。「カレンダーの日付が大みそかだったこともありました。食事の途中、家族で夜逃げしたんだなと…」。その体験は「北の国から」をはじめとする創作の原点になった。 「屋根」の舞台は原生林の中に建てられた開拓小屋だ。大正末期、若い夫婦の間に次々と子どもが生まれる。雨風を
「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設が争点となった宜野湾市長選。琉球放送の元アナウンサー川平朝清(かびらちょうせい)さん(88)=横浜市=は、複雑な思いで見守った。選挙のたびに基地問題で割れる父祖の故郷。「沖縄にもう新たな基地はいらない」と訴える。 (安藤恭子) 「ここに大きな基地ができて、軍艦が泊まり、飛行機が飛び立つことになる。二百年続くという基地だ。おじいさんはどうしても止めたいんだ」。昨年十二月、大学生と高校生の孫三人を含む家族十一人で名護市辺野古(へのこ)を訪れた川平さんは、青く穏やかな海を前に、基地反対への思いを語った。 明治期まで四百五十年続いた琉球王朝に仕えた家系の出。敗戦翌年、台湾から沖縄へ戻った。日本軍が司令部壕(ごう)を置いた首里城は跡形もなく、足元に転がる軍靴から人骨がのぞいた。一緒にい
自民党本部で十四日朝開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言した。与野党から批判が相次ぎ、午後になって「誤解を招くところがあった。迷惑を掛けた関係者の皆さまに心よりおわび申し上げる」と、発言を撤回するコメントを出した。 日韓両政府は昨年十二月末、慰安婦問題に関し、日本が軍の関与や政府の責任を認める内容で合意している。菅義偉(すがよしひで)官房長官は午後の記者会見で「政府や党の(慰安婦問題への)考え方は決まっている。自民党の国会議員であれば、そうしたことを踏まえて発言してほしい」と述べた。
二十四日閣議決定された二〇一六年度予算案で大使館の新設が認められた四カ国の中に、在留邦人数が極めて少なく、日系企業も進出していない国が含まれていることが外務省への取材で分かった。国の長期債務残高が八百兆円を超える厳しい財政事情の中、専門家からは費用対効果の低い大使館新設を疑問視する声が上がる。 (山口哲人) 一六年度予算案に盛り込まれた新設国は、旧ユーゴスラビアのマケドニアと隣国アルバニア、インド洋の島国モーリシャス、南太平洋の島国サモアの四カ国。開設費用計八億六千万円が計上された。いずれも従来、近隣国の大使が兼務していたのを独立した大使館とする。 外務省によるとこのうちマケドニアに住む邦人は一四年十月時点で十五人で、現地で活動する日本企業はゼロ。大使館は小規模なものでも最低十五人の体制となるため、同国では日本の大使館員と在留邦人がほぼ同数となる見込みだ。他の三カ国の在留邦人もアルバニアが
民主党の安全保障総合調査会(会長・北沢俊美元防衛相)と外務・防衛部門会議は二十四日、合同会議を国会内で開き、先の通常国会で成立した安全保障関連法の廃止法案の提出に向けた議論に着手した。対案を準備する方針も確認した。他の野党と共同提案について協議し、一月召集の通常国会に提出したい考えだ。 廃止法案は、安保関連法のうち、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を容認した改正武力攻撃事態法など法律十本を一括した平和安全法制整備法、国際貢献を目的に他国軍支援を随時可能にする国際平和支援法が対象。国際貢献のための他国軍支援については「特別措置法で対応していくべきだ」とする。 その上で、民主党が四月にまとめた「考え方」に基づき、(1)米軍支援の範囲を「日本周辺」に限定して国会承認を厳格化する周辺事態法改正案(2)一定条件で国連平和維持活動(PKO)活動の拡大を認めるPKO協力法改正案(3)前国会で廃案となっ
野党五党などが臨時国会を召集するよう要求した。憲法の規定に基づく手続きである。政府・与党は重く受け止め、速やかに召集に応じるべきだ。憲法をこれ以上、軽視することは許されない。 通常国会閉会から一カ月近く。この間、安全保障法が公布され、環太平洋連携協定(TPP)締結交渉が関係国間で大筋合意した。安倍晋三首相は内閣改造を行い、十人の閣僚が新たに入閣した。 政府・与党は進んで臨時国会を召集して、首相と各閣僚が安保法やTPPについて報告し、改造内閣が何を目指すのか、説明を要する状況だ。これまでほとんどの内閣が、野党の要求に応じて臨時国会を召集し、説明する責任を果たしてきた。
民主、維新、共産、生活、社民の野党五党などは二十一日午前、憲法五三条の規定に基づき、臨時国会召集の要求書を大島理森(ただもり)衆院議長に共同で提出した。 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「安倍晋三首相の外交日程を優先せざるを得ない事情や年末の予算編成をこなす必要がある」と、召集に慎重な姿勢を示した。
安全保障関連法を採決した九月十七日の参院特別委員会の議事録が、十一日に参院ホームページ(HP)で公開された。採決は委員長の宣告後に行われるのが規則。採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えた。採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めたと、野党は反発している。 (篠ケ瀬祐司) 九月十七日の特別委では、委員長不信任動議が否決されて鴻池祥肇(こうのいけよしただ)氏が委員長席に着席。民主党理事の福山哲郎氏が話しかけたところ、自民党議員らが委員長の周囲を取り囲んだ。野党議員も駆け付け混乱状態の中、委員長による質疑終局と採決の宣告は全く聞こえず、自民党理事の合図で与党議員らが起立を繰り返した。野党議員は何を採決しているのか分からない状況だった。
安全保障関連法を採決した九月十七日の参院特別委員会の議事録が、十一日に参院ホームページ(HP)で公開された。採決は委員長の宣告後に行われるのが規則。採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えた。採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めたと、野党は反発している。 (篠ケ瀬祐司) 九月十七日の特別委では、委員長不信任動議が否決されて鴻池祥肇(こうのいけよしただ)氏が委員長席に着席。民主党理事の福山哲郎氏が話しかけたところ、自民党議員らが委員長の周囲を取り囲んだ。野党議員も駆け付け混乱状態の中、委員長による質疑終局と採決の宣告は全く聞こえず、自民党理事の合図で与党議員らが起立を繰り返した。野党議員は何を採決しているのか分からない状況だった。
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