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ブックマーク / otaniis.wordpress.com (3)

  • 何十年ぶりで初恋の人にあったかのような読書会―安部公房『燃えつきた地図』を読むオフ会―

    中学生の時の体育の先生が言った言葉を思い出した。「いいか君たち、若い頃にたくさん女の子を好きになった思い出はずっと残るんだよ」。正確ではないかもしれないが、そういう意味の言葉だったと思う。 不幸にもいままで好きになった女の子は数えるほどしかいないが、好きになった作家は多い。アルベール・カミュに夢中になったことをここで書いたが、日の作家で夢中になったのは、寺山修司と並んで安部公房であった。2年ほど前に立命館大学の研究会に参加したときのことをこのブログに書き、それを見たのか、岩田英哉さんが主催している「もぐら通信」というネット配信の雑誌を送ってもらっている。最初は熱烈なファン雑誌かと思っていたが、読むと愛好家であるがゆえの読みのレベルの高さに驚くようになった。 その「もぐら通信」に、東京と京都でオフ会があり奇しくも両方の会で『燃えつきた地図』を読むと告げられている。京都の会は2月2日の1時か

    何十年ぶりで初恋の人にあったかのような読書会―安部公房『燃えつきた地図』を読むオフ会―
  • 本の力 ― P.オースター『ブルックリン・フォリーズ』を読んだ夏―

    の力をあなどってはならない」これはP.オースターの小説の最後の一行である。「すでに人生が終わった」と思い込んでいる中年の男は小説の最後で生きる力を何とか取り戻し、奇抜な仕事のアイディアを思いつく。それは世間に何らかの知られた業績をあげた人物ではなく「ほとんどの人生は消滅する。一人の人間が死に、その人生の痕跡はすこしずつ消えていく」と説明される、やがて「忘れ去られる」人々を巡る伝記を出版する会社を作ることである。「愛する者」を「言葉のなかでよみがえらせ、原稿が印刷され物語がの形で綴じられたら、彼らの手元には一生のよすがとなるものが残ることになる。彼らが死んでも残るもの、私たちみんなが死んでも残るものが」(引用はいずれも訳320頁―321頁) ネイサンという主人公の中年男は多くのオースターの小説の主人公と同じく、アンチヒーローで、に去られ、娘にも見捨てられ、癌の宣告を受け、それでも生き

    本の力 ― P.オースター『ブルックリン・フォリーズ』を読んだ夏―
  • 2011年03月09日 – 大谷大学 文学部 国際文化学科

    まだ外は寒いが晴れた日にコートを着て歩くと、空気の冷たさが心地よく、ひょっとして外を歩くにはいまくらいが、京都では一番いい季節かもしれない。 新学期との狭間で、教員にとっては、当に宝石のように(陳腐な比喩で悲しくなる)貴重で愛おしい日々が過ぎて行く。 論文も進めなくてはならない、あのもこのも読もうと思っているのだが、この季節は演劇やダンスの公演も続く。5日に山海塾の「TOBARI」(兵庫芸術センター)の舞踏を引き継いだ踊りを見て、6日に、きたまり、野淵杏子、花ゆかのkikikikikikiの3人がいずれも他の振り付け師のつけた作品を踊るのを観てきた。山海塾の方は期待通りのできばえで、舞台の背景と床に、一面星のまたたく夜空と建物の明かりがその夜空のように見える街の姿を交互に写しだしたものを背景に踊った。 年齢のせいもあるだろう。洗練された極みのようにゆっくりと抑制のきいた動きが主体の

    2011年03月09日 – 大谷大学 文学部 国際文化学科
    w2allen
    w2allen 2011/03/10
    番場寛先生。
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