原爆ドーム(広島市中区)が「広島県立商品陳列所」と呼ばれていた1932(昭和7)年、戦意高揚のために催された「時局博覧会」の会場となった時の全景写真が見つかり、22日に原爆資料館(同)で始まる資料展で複製写真が公開される。同資料館は「博覧会開催当時の写真は貴重」としている。 時局博覧会は、旧満州国の建国宣言翌月の32年4月29日から約2週間、旧軍と広島市などが主催。旧軍の西練兵場(現在の広島県庁付近)を主会場に、同陳列所などで開かれた。同陳列所は「満蒙館」という名称で、農産物や民族衣装など旧満州の特産品が紹介されたという。写真は、陳列所西側の橋の上から撮影。建物の屋根に日の丸と満州国旗が交互に並び、晴れ着姿の見物客らが入り口に列を成している様子が収められている。 相模原市在住の上嶋健司さんが昨年、同資料館に寄贈した。撮影者は不明だが、上嶋さんの祖父が所蔵していたという。公開は来年6月12日