タンクに満載された約6トンの搾りたて生乳は畑にまかれ廃棄処分された=20日、茨城県小美玉市搾乳機を使い15分ほどかけて乳を吸い出す。1日で一頭あたり平均30キロほどの生乳がとれる=茨城県小美玉市 震災の影響で茨城県内の酪農家が搾った生乳を出荷できず、廃棄処分を余儀なくされている。牛乳メーカーの工場や貯蔵施設が被災して集乳が滞っているためだ。21日までに主なメーカーの半数が操業を再開。県内の酪農組合も農家からの集乳を始めつつあるが、通常の生産量にはほど遠い。放射能汚染の風評被害への不安も広がっている。 わずか2時間前に搾ったばかりの生乳が、車の6トンタンクから勢いよく畑にまかれていく。3分ほどでタンクは空になり、ほのかに甘いミルクの香りが漂ってきた。 生乳を廃棄処分していたのは、同県小美玉市の美野里地区で、祖父の代から酪農業を営む男性(38)だ。「仕事ができるだけでも幸せなのかもしれま