東日本大震災の影が、統一地方選を直撃している。被害の大きい千葉県浦安市が十日の投開票事務を行わない方針を示して県選管と対立しているが、選挙が延期となった地域も混乱は続く。延期となった岩手、宮城、福島、茨城の四県の計六十の選挙は、最長で半年後の九月二十二日まで先送りが可能だが、行政機能がまひしたり、町ごと他県に避難した自治体は、九月の実施すらめどが立たない。 (後藤孝好) 岩手県陸前高田市は市庁舎が津波にのみ込まれ、住民基本台帳や選挙人名簿などの重要な行政文書を管理するサーバーが流失した。総務省によると、同市や宮城県南三陸町など海岸沿いの五市町で選挙人名簿や、名簿作成に必要な住民基本台帳が津波で流されて使えなくなった。 ただ、いずれの市町も住民基本台帳のバックアップ用データを業者に委託していた。それを基にすれば、辛うじて選挙人名簿の復元もできる見通し。仮にバックアップできない場合は、住民基本