宮城県内は30日、各地で記録的な雨となり、強風が吹いた。震災で地盤が緩み、少なくとも7カ所で土砂崩れが発生。その1カ所に記者が遭遇した。 午後2時前、避難所になっている石巻市牧浜の東浜小学校に取材のためレンタカーで向かっていた時だった。側溝から雨水があふれて道路に流れ出していた。土砂崩れの恐れを感じ、斜面にはできるだけ近づかないよう走行した。 目的地まで残りわずかとなったところで、前方が倒木でふさがっているのが見えた。とても通れないと判断し、写真を撮っておこうとカメラの電源を入れた時、後方で大きな音が響いた。 「ドドドッ」。鈍くて低い音。運転席から後方を見ると、崩れた土砂が道路を覆っていた。前方は倒木、後方は土砂崩れ。孤立の恐怖に襲われた。慌てて車をバックさせ、崩落土が少ない部分を乗り越えようとしたが、後輪はぬかるみで空転。崩落土のすぐ横で立ち往生した。 斜面上方からはまだ小石が転げ落ち、