政府は2日、食品衛生法の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、茨城県全域と神奈川、千葉、栃木県の一部地域で生産する茶の出荷停止を各県に指示した。原子力災害対策特別措置法に基づく茶の出荷停止措置は初めて。 茶は、刈り取った生葉を乾燥させて荒茶にし、製茶して湯で抽出し飲料になるまでにセシウムの濃度が変わるため、どの段階で規制をかけるか政府内で調整を進めていた。 今季の一番茶は既に大半が荒茶に加工済みで、厚生労働省は同日、各自治体に改めて荒茶での検査を要請した。これまで、荒茶での検査はほとんどの自治体で実施しておらず、既に規制値を超過した茶が出荷された可能性もある。厚労省は「規制値の超過が判明すれば、食品衛生法に基づき回収などの措置を取る」と話した。 農水省などによると、お茶に含まれるセシウムは、生葉で1キロあたり500ベクレルの場合、乾燥させた荒茶は
菅直人首相が2日、東日本大震災と原発事故の対応にめどがついた段階で退陣する意向を表明したことに、各国の政府関係者や報道機関から反応が相次いだ。 ◇「戦略的互恵望む」…中国 【北京・工藤哲】中国外務省の洪磊(こう・らい)副報道局長は2日、定例会見で「これは日本の内部事情の話だ。我々は(双方とも実利を得られる)戦略的互恵関係を前進させることを望む」と短く言及、日本の政局混乱により、こうした関係に変化が生じないよう暗に求めた。 ◇「震災対応に批判」…ドイツ 【ベルリン篠田航一】ドイツのDPA通信は「日本の菅直人首相は、野党提出の不信任案を切り抜けた」と速報。政局の背景について「自然災害・原発災害後の不十分な対応」で長期間批判を受けていたと指摘し、「若い世代に引き継ぎたいと述べたにもかかわらず、辞任の日付は明言していない」と伝えた。
【カイロ和田浩明】シリアのアサド政権による民主化要求デモへの弾圧で、子どもに対する拘束や拷問が問題化している。拷問死したとされる少年について、反体制派は「当局の残虐行為の殉教者」と攻勢を強めているが、政権側は「にせ情報だ」と反論、大統領が事実関係の調査を約束するなど、国民の怒りを抑え込もうとしている。 国連児童基金(ユニセフ)によると、シリアの弾圧では、未確認ながら30人の子どもが死亡したとの情報がある。最近注目を集めているのが、民衆蜂起の発火点である南部ダルアーで死亡したハムザ・ハティーブ君(13)の事件だ。シリア人でつくる複数の人権団体によると、ハムザ君は4月29日にデモに参加して拘束され、5月下旬に遺体となって家族のもとに返された。体には「ムチで打たれ、電気を流された跡が残り、首の骨が折られ、性器が切断されていた」といい、拷問死が疑われている。 一方、シリア国営テレビは5月31日、全
税と社会保障の一体改革に関する政府の集中検討会議で発言する菅直人首相(左列中央)=首相官邸で2011年6月2日午後7時16分、梅田麻衣子撮影 税と社会保障の一体改革に関する政府の集中検討会議(議長・菅直人首相)は2日、財源対策を含む社会保障改革案を決定した。改革のスタートと位置付ける15年度に約2.7兆円、消費税率換算で1%分を要するとしている。高齢化に伴う費用増などで4%分も確保する必要があるため、消費税を段階的に引き上げ、15年度に10%とする方針を明示。12年度後半以降の引き上げ開始を想定している。明記は避けたが、25年度には20%程度にする必要があるとの推計も示した。 政府は税制も含めた一体改革案を20日までに決め、12年度以降法改正に踏み切る構えだ。だが、退陣の意向を示した菅首相の求心力低下は必至で、実現は危ぶまれている。 改革案では、社会保障充実に計約3.8兆円かかる。内訳は、
【ワシントン=中島健太郎】菅内閣に対する不信任決議案が否決されたことについて、米国メディアは2日、首相が震災対応にメドがついた段階での辞任を示唆したことで、政権の弱体化は避けられないとの見方を示した。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は、決議案をめぐる最近の動きを「政治的なまひ状態」と表現。「民主党の内輪もめで財政赤字解消に向けた取り組みは滞っており、政府の震災復興策にも疑問符が付く」と指摘した。 ワシントン・ポスト紙(電子版)は、民主党内で小沢一郎元代表に近い議員が不信任に同調する動きを見せたことで、「大震災と原発事故への対応で国民の信頼を得られなかった政治への困惑は、今回の騒動でさらに広がっている」と解説した。
図書館問題研究会(ともんけん)がお送りするイベント情報や緊急ニュース、そして会員のリレーエッセイ。 大地震によって被災されたみなさんに心からお見舞い申し上げます。 図書館問題研究会一同 <東松島市の図書館は津波にはさらわれなかったのですが、度重なる余震でなかなか開館できないのでした。> お蔭様で、仮開館という形で本日から開館しました。皆様からの温かいご好意や励まし、ご支援をいただきやっとここまできました。自分は亀だなあとつくづく感じます。 ありきたりな言葉しか発せられない自分ですが、図書館みんなで少しずつ、一歩ずつ進んで行きたいと思います。 今回の震災で、運動公園や施設、市民センター(公民館)は津波により流失したり避難所になったりと生涯学習施設は全てアウトです。このような中で、図書館は幸い残り市民の文化的な生活をする唯一の施設として残っています。 前途多難で行政や市民から多々理解を得るのに
自民、公明など野党各党は、菅政権の打倒や民主党分裂をねらった内閣不信任決議案が不発に終わり、不満を強めている。 特に自民党内で、民主党の小沢一郎元代表との連携を模索して不信任案の早期提出を主張したベテラン議員は肩すかしを食らった格好で、カンカンの議員も多い。 「事後に責任を負わない首相の下では、復旧・復興は進まず、通年国会など実を伴わない。国際社会も真剣に相手をするのか」 不信任案否決後、党本部で記者会見した自民党の谷垣総裁は、時期を明示せずに「辞任表明」した首相を厳しく批判した。不信任案が否決に終わったことについては「(不信任案が)提出されたことで、首相も自らの進退を口にせざるを得なくなった」と、提出自体は成果があったと強調した。 怒りが収まらないのが、自民党の派閥領袖やベテラン議員らだ。 伊吹文明・元幹事長は記者団に「この醜態、民主党のゴタゴタを見れば、国民が不信任を突きつけるべきだ」
君が代条例をめぐり、大阪府議会の委員会で大阪維新の会府議団と他会派の質疑が行われた=2日午前、府庁、池尻和生撮影 地域政党「大阪維新の会」が大阪府議会に提出した教職員に君が代の起立斉唱を義務づける条例案について、府議会教育常任委員会は2日、賛成多数で可決した。3日の本会議で、過半数を占める維新単独で可決され、成立する見通し。 教育常任委では、委員長を除く13人の委員のうち、維新の7人が賛成し、公明、自民、民主、共産の計6人が反対した。 採決に先立ち、維新側は「職務命令に従わない教職員に教育を任せることはできない」と賛成理由を説明。自民は「起立斉唱を強制でなく当たり前にできる社会になるよう教員は率先遂行すべきだ。条例は必要ない」、民主は「不利益処分を伴う強制により教育現場に混乱を生じさせないよう慎重な判断が望まれる」と反対した。 公明は「唐突に提案され、採決はあまりにも拙速」、共産は
大阪府内の公立学校教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける全国初の条例案が2日、府議会教育常任委員会で可決された。首長政党「大阪維新の会」府議団が提出。自民、民主は反対、公明、共産は継続審議を求めたが、過半数を占める維新が賛成した。3日の本会議で成立する見通し。 自民が提出した府施設への国旗の常時掲揚を義務付ける条例案も一括審議され、維新は一本化を呼びかけたが、自民は「起立斉唱の条例は不要」と拒否した。公明は「いささか拙速。条例制定の重さや府民生活への影響を考え、丁寧に手続きを踏むべきだ」と批判した。 条例案を主導した橋下徹知事は「1日の審議だけで説明は十分」と強調。維新は他会派の賛同が得られなくても、3日の本会議で採決に持ち込む構えだ。【田中博子】
対談 鈴木厚人 × 野家啓一 震災復興と研究教育と社会貢献への思い ~東北大学の今後~ (平成23年5月10日、東北大学東京分室にて) 鈴木先生にはGCOEと関わりの深いKEK(※1)ならびにJ-PARC(※2)の今後の復興計画、野家先生には今回の震災と原子炉事故について科学倫理の観点からお話を伺いました。また、災害の中心にある東北大学が地域の復興にどのように関与していくべきか、大学の今後についてお二人にお聞きしました。 司会:井上邦雄 GCOE拠点リーダー・ニュートリノ科学研究センター長・教授 パネリスト紹介
子育て支援や低所得者対策の強化などで、2015年度までに約2・7兆円の財源が新たに必要になるとの試算などを基に、消費税率を15年度までに段階的に10%に引き上げることが必要だと明記した。 改革案では、年金、医療、介護、子育て支援の給付拡充策により、15年段階で3・8兆円程度が必要になると指摘。高所得者に負担増を求めるなどの対策で、このうち1・2兆円程度を節約する目標を掲げ、差し引き2・7兆円程度の追加財源の確保を求めた。 基礎年金、高齢者医療、介護、子育て支援を「社会保障4経費」とし、消費税は4経費に税収の全額を充てる「社会保障目的税」とすることを「法律上、会計上も明確にする」と明記。税制改革の法整備は今年度中に実施するとした。
東京電力福島第一原発の事故に関連し、政府が生茶葉を乾燥させた「荒茶」でも放射性物質が暫定規制値を超えれば出荷制限の対象とする方針を示している問題で、静岡県の川勝平太知事は2日、「荒茶の(放射能)検査はしない」と述べ、政府の方針に従わない考えを示した。 川勝知事は静岡県庁で記者団に対し、「厚労省に助言する原子力安全委員会の委員5人のうち、放射能の専門家は1人だけ。信用が失墜した委員会の、たった1人の専門家の意見に、380万県民が最も大事にしているお茶が振り回されるのは本当におかしい。乱暴な規制をするとなれば、それこそ不信任に値する」と批判。さらに「荒茶は半製品で、消費者が口にすることがない。中途半端に安全のためにすることが、結果的に不安を増幅させることになる」などと語った。
菅首相辞任「そう遠くない」…鳩山前首相が認識 (6月2日 15:48) 民主の松木・前農水政務官、不信任案に賛成票 (6月2日 15:33) 内閣不信任決議案、反対多数で否決 (6月2日 15:24) 小沢氏、内閣不信任決議案の採決を欠席 (6月2日 15:09) 菅首相、震災対応メドついた段階での退陣示唆 (6月2日 14:30) 民主分裂回避へ動いた創業者「鳩菅」 (6月2日 14:12) 辞めるとはひと言も書いていない「鳩菅覚書」 (6月2日 14:03) 菅首相、民主代議士会での発言要旨 (6月2日 13:39) 小沢グループ、「不信任案は自主判断」に (6月2日 13:33) 菅首相、挙党一致呼びかけ…民主党代議士会 (6月2日 13:04) 民主党
民主党・無所属クラブの衆院議員のうち、内閣不信任案に賛成したのは松木謙公、横粂勝仁の2氏。また、石原洋三郎、内山晃、小沢一郎、太田和美、岡島一正、笠原多見子、金子健一、川島智太郎、木内孝胤、黒田雄、古賀敬章、瑞慶覧長敏、田中真紀子、三宅雪子、三輪信昭の15氏が棄権した。 また、共産党の9人と社民党の6人は全員棄権。国益と国民の生活を守る会の小泉龍司、無所属の石川知裕、佐藤夕子の各氏も棄権した。
東日本大震災の津波に襲われた宮城県中部の沿岸部で、ヒ素化合物など3種類の有害物質が最大で国の基準の2.2倍検出されたことが、神戸大の飯塚敦教授(地盤工学)らの調査で分かった。震災の津波による土壌汚染の実態が判明するのは初めて。石油コンビナートや化学工場などの近くで値が高く、浸水地で作業する際はマスクや手袋での防御が必要だ。環境省も土壌汚染状況の緊急調査を予定している。 飯塚教授らは4月下旬から、仙台市や石巻市など同県内約10カ所で土壌を採取し、土壌汚染対策法に定められた特定有害物質の溶出量と含有量を分析した。値が高かった石巻港の石油コンビナート近くでは、ヒ素・フッ素・ホウ素化合物のいずれも基準値を超過。石巻市渡波地区や名取市閖上(ゆりあげ)地区でもヒ素化合物の値がわずかに超えた。鉛やその化合物なども、基準値は下回ったものの広い範囲で検出された。有害物質が地下水に流出する危険が増すとされる基
名古屋市議会最大会派・減税日本ナゴヤの則竹勅仁団長が03年4月の初当選時から公約で受け取りを拒否し、法務局に供託していた7年分の議会交通費に当たる費用弁償536万円を昨年11月、公約に反して受け取っていたことが2日、分かった。則竹団長は「不適切な取り扱いがあった」などとして同日、市議団総会で団長を辞任する意向を表明した。 則竹氏の辞任は了承される見通し。減税日本は会派運営を巡り、幹事長らが辞意を表明するなど混乱が続いている。団長の辞任で抜本的な立て直しを迫られそうだ。 費用弁償は本会議などに出席した際、交通費名目で1日1万円が支給される。議員特権との批判があり、10年3月に廃止された。 関係者によると則竹氏は、初当選当初から費用弁償の受け取りを拒否。受け取らないと寄付扱いになり公職選挙法に触れるため、法務局に供託していた。しかし、昨年11月に自ら管理する口座に移し替えたという。 ◇「360
「奇跡のミカン」発祥の地復権へ 糸島市、九大と連携 2011年6月2日 17:02 カテゴリー:社会 九州 > 福岡 「はるか」を使ったお菓子作りについて、意見を交わす地元農家や糸島市、食品メーカーの関係者=福岡県糸島市の市役所二丈庁舎 自然交配で偶発的に誕生して人気品種となり、「奇跡のミカン」と呼ばれる「はるか」の生産拡大を狙い、福岡県糸島市は九州大学と連携し、はるかを原料にしたお菓子作りに取り組んでいる。はるか発祥の地ながら、生産量や価格面で他産地の後塵(こうじん)を拝している同市が“復権”を懸けた挑戦。7月中旬には新商品の発表を行う予定だ。 はるかは、同市二丈吉井の農業石井徳雄さん(62)が1980年に自宅庭で、植えていた日向夏と異なるかんきつ類の芽を発見。温州ミカンに接ぎ木したところ、実をつけたのが始まり。日向夏と近くの果樹園の甘夏が自然にかけ合わさったとみられ、96年に農林水
旧直方駅舎は初代博多駅か 2011年6月2日 02:02 カテゴリー:九州 > 福岡 解体工事が迫るJR直方駅旧駅舎初代博多駅とされる図 直方市のJR直方駅旧駅舎の保存を求めている市民ら12人が1日、旧駅舎は明治23(1890)年建築の初代博多駅が移築された可能性が高いとして、調査を求める意見書を市監査委員に提出した。歴史的建造物に詳しい九州大大学院の藤原恵洋教授(建築史)が5月26日に旧駅舎を調査し、使われた資材などを根拠にまとめたリポートの内容を盛り込んだ。 12人は「101歳直方駅舎の再生を求めるネットワーク」(樋口清代表)のメンバーたち。市が旧駅舎解体へ向けて調査費などを支出するのは都市計画法などに違反するとして、市長に支出差し止めを求めるよう5月17日に監査請求していた。 この日提出した意見書によると、旧駅舎の屋根裏に使われている柱やはりの表面に、手おのやまさかりで削った跡が
自民、公明両党などは内閣不信任決議案を提出、民主党内からも同調する動きが表面化し、政局は緊迫を増した。これに先立つ党首討論で両党は、菅直人首相に「人徳も力量もない」などと退陣を迫った。首相は「責任を果たしていく」と退陣を拒否したが、与野党双方は、政治は国民のため、という原点に立ち返り、首相の出処進退は、国民の利益という一点から判断すべきだ。 地震・津波災害に加えて原発事故への対処が求められる中で、不信任決議案を引き金に、政争の泥沼に突入する事態は、避けなければならない。「3・11」直後は、政界の誰もが、政党の垣根を越えて国難に対処しようと心に誓ったはずだ。被災者は一日も早い復興を望んでいる。政党の目先の利害だけで政争に走るのは無責任だ。政治停滞が許されないことを菅首相はじめ全議員は肝に銘じてもらいたい。 復興基本法案すら成立していない現状からすると首相退陣による政治空白は望ましいことで
記事一覧 敦賀市長が大阪府知事へ質問状 原発立地地域への思いなど4項目 (2011年6月2日午後5時55分) 敦賀市の河瀬一治市長は2日、「脱原発」構想を打ち出した橋下徹大阪府知事に対し、関西圏の電力供給に協力している立地地域に対する思いなど4項目を尋ねる公開質問状を送った。同日の定例記者会見で明らかにした。 河瀬市長は橋下知事の発言を受けて5月9日、面会を求めたが同11日に断られていた。同23日に県内の立地自治体4市町でつくる県原子力発電所所在市町協議会を開いて検討し、市長に一任されていた。 質問状では「福井県内に立地している原発で発電する電力は、大阪府をはじめ関西圏で消費される電力の半分以上を担っている」と指摘。その上で「立地地域に対し、どのような思いを持っているのか」と質問している。 関西圏の経済や産業に影響を与えることなく、原発から新エネルギーへの代替計画や、電力安定供給の対
記事一覧 福井大原子力研に危機管理分野 学科新設、耐震・耐津波など研究 (2011年6月2日午前7時09分) 東京電力福島第1原発事故を受け、福井県の福井大は1日、同大附属国際原子力工学研究所に「原子力防災・危機管理分野(学科)」を新設し、原発の耐震・耐津波、危機管理などの研究を進めることを明らかにした。 同日県庁で開いた同大の福島県調査団の派遣報告会見で、福田優学長が表明した。 2009年4月に開所した同研究所は現在、教員8人が在籍。原子力工学基礎、同研究開発、医学物理・化学、原子力防災工学の4分野で研究を進めている。 原発事故を踏まえ、原子力防災工学分野を改編し、原子力防災・危機管理分野を新設する。県や敦賀市と連携し▽シビアアクシデント(過酷事故)評価▽耐震・耐津波▽災害発生のリスク評価▽危機管理学▽放射線計測・防護▽被ばく線量などの基準・規則の国際化―の6テーマの研究を行う。
福島第1原発の事故をきっかけに、行政による避難対象区域以外の福島県や首都圏から、子連れで安曇野市や北安曇郡白馬村に自主的に「疎開」する母親が増えている。放射能の子どもへの影響について、国の「安全基準」に不信を募らせる親。ネット情報が不安に拍車をかけ、将来を見通せないまま夫を残して避難してきた母親も多い。避難先の市民らも受け皿づくりを模索し始めた。 白馬村北城のグラフィックデザイナー尾川耕さん(42)方には、福島県の母子2組が身を寄せている。共に自宅は計画的避難区域などの30キロ圏外。郡山市の上妻(あがつま)祐子さん(38)は5月下旬、2人の子どもを連れて避難してきた。 自宅は福島第1原発から約60キロ。長男が入る予定だった幼稚園からは、予定通り入園式を行うと連絡があった。国が校庭などの利用制限基準を年換算20ミリシーベルトと通知したためだが、それは法定年間被ばく線量限度の20倍だと母親
百貨店の中元商戦が本格化する。今年は東日本大震災の被災地を応援しようと、東北地方の名産品を前面に出す店が目立つ。現地の生産者らが駆けつけ接客にあたるなどして需要喚起を図っている。 「売り上げも大事だが、被災地の生産者とお客さまを結ぶ大切な中元商戦」。横浜高島屋の田中良司副店長は5月25日の決起集会で、従業員にそう呼び掛けた。 「東日本応援ギフト」と題し岩手、宮城、福島、茨城県から30品目を集めた。初日は日本酒「一ノ蔵」や無添加りんごジュースの生産者らも訪れ、客に試飲を勧めていた。 そごう横浜店は5月31日に特設会場をオープン。牛たんや笹(ささ)かまぼこなど「宮城応援ギフト」コーナーを設けた。宮城県観光PRキャラクター・むすび丸も来店した。同県物産振興協会の桃生昌一常務理事は「観光客が激減する中、地元生産者にとって希望の持てる企画。できるところから頑張って復興につなげたい」と話した。
伊豆箱根鉄道が大雄山線の5000系電車をジャガード織りで表現したミニハンカチを販売している。 昨年の猛暑を受け、1500枚を作製した。大きさは20センチ四方で1枚300円。小田原駅、大雄山駅などの有人駅で扱っている。静岡県を走る駿豆線では3000系電車のミニハンカチを販売している。 全国的な鉄道ブームを受け、同社はここ数年、オリジナルグッズの開発に力を入れている。同社の担当者は「おかげさまで売り上げは好調で完売も続いている。増収以外にPR効果も期待できる」と話していた。 問い合わせは、同社鉄道部運輸課電話055(977)1207。
被災した資料に“命”再び 東北芸工大の研究センターで泥落とし作業 2011年06月02日 15:57 Tweet 津波で泥まみれになった資料を扇風機で乾燥させている=山形市・東北芸術工科大 東北芸術工科大(山形市)の文化財保存修復研究センターが、東日本大震災で津波被害に遭った文献や美術品の泥を落とす“救済”作業に取り組んでいる。スタッフが現地に赴いて美術品を対象にした作業に当たった一方、研究センターに膨大な数の書物を運び込み、研究員や学生が1枚ずつページをめくって泥を落とす作業を地道に続けている。 美術品などに関する専門知識や経験が豊富な研究員がいる機関は東北でも数が少なく、センターは震災直後から被災した美術品や文献の受け入れを想定して準備を進めてきた。 最初は研究員らが被災地に足を運び、ばらばらに壊れた木彫やかびが生えた作品の洗浄作業から始めた。文化財の保存修復が専門の藤原徹同大教授
「政治空白回避せよ」 宮城知事 菅内閣不信任決議案をめぐり、村井嘉浩宮城県知事は2日午前、決議案が可決されれば解散・総選挙を行う意向を首相が周辺に伝えたとされることに関し、「被災状況を目の当たりにしながら、それを斟酌(しんしゃく)しない発言に大変驚いた」と批判した。 村井知事は「被災地は待ったなしの状況。選挙となれば被災者は結果をじっと待つことになり、(復旧復興までに)相当時間が掛かってしまう。いたずらに政治空白をつくることは極力避けてもらいたい」と述べた。 総選挙となった場合の対応にも触れ、「被災市町は選挙人名簿の作成すらできない状態で、選挙は物理的に不可能。人員が足りず、罹災(りさい)証明の発行さえ十分できていない。その上、選挙事務を付加するとなれば、大変残酷なことだ」と指摘した。 村井知事は、県災害対策本部会議の後、報道陣の取材に答えた。
仙台市、長期派遣職員に辞令 横浜と京都から11人 奥山市長から辞令を受け取る派遣職員=2日午前9時40分ごろ、仙台市役所 東日本大震災からの復旧復興を加速するため、仙台市は2日、横浜、京都両市から1日付で長期派遣された職員11人に辞令を交付した。 横浜市が10人、京都市が1人で、内訳は技術職6人、事務職5人。派遣元との併任発令で、派遣期間は来年3月末まで。震災廃棄物の処理、道路や農地、公共施設の補修などを担当する。 交付式で、奥山恵美子市長は「長期的な課題が山積する中、被災者の暮らしを一日も早く再建できるよう力を合わせて取り組みたい」とあいさつ。横浜市から派遣され、社会課で義援金の手続き業務に当たる加藤久雄さん(38)は「身の引き締まる思い。仙台の早期の復興に向けて微力ながら頑張りたい」と述べた。 他都市からの長期派遣職員は本年度、最大で60人程度となる見通し。市人事課は「市役所内で
東北大学附属図書館は、平成23年6月14日に創立百周年を迎えます。 東北帝国大学が設置された明治40年(1907)から4年後の明治44年(1911)6月、附属図書館は現在の片平キャンパスに設置されました(現在「東北大学史料館」として公開している建物です)。 その後、医学分館が大正4年(1915)、農学分館が昭和49年(1974)、工学分館が昭和53年(1978)、北青葉山分館が昭和57年(1982)にそれぞれ設置され、現在に至っております。 この創立百周年を記念して、様々な企画をご用意していますので、皆さまぜひご参加ください。 附属図書館が利用者の皆さんの近い存在であるように、そして、皆さまとともに次なる100年へと煌くきっかけとなる一年間になればと思っております。 ⑴100回目の誕生日に贈る「図書館へのメッセージ」 ⑵本を借りたらゲット!記念日限定グッズ 日時:平成23年6月14日(火
2011年6月1日に、国際図書館連盟(IFLA)がIFLAの歴史を知るためのウェブページを開設しました。公開された“IFLA’s History”では、IFLA創設期以来の歴史的文書や1977年に刊行されたIFLA50年史等のPDF、過去のIFLA大会の開催地や歴代会長の任期等の記録が掲載されているようです。 IFLA’s History http://www.ifla.org/en/history IFLA ‘history corner’ established (IFLA 2011/6/1付けの記事) http://www.ifla.org/en/news/ifla-history-corner-established
中国電力(広島市)が山口県上関(かみのせき)町で進めている原子力発電所建設計画で、国が行う原子炉設置許可の安全審査が3か月以上ストップし、来年6月の原子炉着工が事実上不可能になっていることがわかった。 国が福島第一原発事故の対応を優先しているためで、審査再開のめどは立っていないという。 中国電は2009年12月に経済産業省原子力安全・保安院に原子炉1号機の設置許可を申請。11年中の審査終了を見込み、12年6月の着工、18年3月の営業運転開始を計画していた。 保安院の1次審査は10年3月に始まったが、今年2月17日を最後に開かれていない。 1次審査が終わったとしても、2次審査には1年近くかかるのが通例。設置許可後も工事計画を経産省に申請するなどの手続きがあり、着工まではさらに2〜3か月は必要と見込まれる。
島根原発3号機運転延期 今年度 県、財政運営見直し 中国電力が、来年3月の予定だった島根原発3号機(松江市鹿島町)の営業運転開始の延期を発表したことで、県が今年度の税収として見込んでいた核燃料税約43億円が、年度内の納税が絶望的となった。県は「県財政に与える影響は小さい」とみているが、財政運営の見直しを迫られる。また、2012年度に松江市に納められるはずだった固定資産税約39億円も見込めなくなった。(南暁子) 核燃料税は、原発への核燃料の装填(そうてん)に伴って電力会社が都道府県に納める税。3号機のような新設の原発の場合、営業運転を開始して3か月以内に納める。税額は装填した核燃料の取得価格の13%で、県は2011年度一般会計当初予算で3号機の核燃料税として約43億円を計上していた。 今年2月には、3号機の制御棒を動かす装置の不具合を中国電が発表。営業運転開始が当初予定の今年12月から来年3
弁護団が地裁に抗議声明 水戸地裁土浦支部で5月24日に無罪が言い渡された布川事件再審判決で、判決内容が書かれた文書を巡り、裁判所が弁護側と検察側双方に平等な対応をしなかったとして、弁護団は1日、「裁判所の公正性、公平性を疑わせ、裁判に対する国民の信頼を著しく損なう」とする抗議声明を発表した。 弁護団によると、判決言い渡しにあたり判決書謄本か要約版の交付を求めたが、同支部は主文言い渡し後、4枚の要約文だけを交付し、全文言い渡し後に回収した。この際、同支部は「検察にも同様の対応をする」としていたが、検察側には当日夕、判決の草稿168枚を交付していた。弁護団が同支部に問い合わせたところ、「草稿の交付は今回に限らず、前例がある」と説明されたとしている。 実務上、刑事事件の判決言い渡し時には判決文が作成されていないことが多く、弁護人は言い渡し終了後に判決書謄本の交付を申請し、入手するのが実情。布川事
原子力に未来はあるのか--。福島第1原発で起きた最悪の事故は、この国の原子力産業の先行きに暗い影を落としている。そうしたなか、この国の未来を切り開くエネルギーであると信じて、原子力を専攻する学生たちの目に、今回の事故はどう映っているのか。若き原子力エリートの悩める心に迫った。【浦松丈二】 ◇「今こそ専門家必要。自負持ち勉強したい」 でも…揺らぐ進路「皆迷っている」 東京大学五月祭の初日(5月28日)。カラフルな看板の模擬店が並ぶキャンパスに黒いスーツ姿の学生たちがいた。「東大生と学ぶ原子力」フォーラムを企画した工学部有志約20人。旧原子力工学科の流れをくむシステム創成学科環境・エネルギーシステムコース(学年定員48人)の3、4年生たちだ。1960年に創設された原子力工学科時代から脈々と業界リーダーを輩出してきた。福島の事故後、有名になった武藤栄・東京電力副社長や近藤駿介・原子力委員長らはO
菅直人首相は2日昼、衆院本会議に先立って開かれた民主党代議士会で、東日本大震災や福島第1原発事故の対応に一定のめどがついた段階で辞任する意向を表明した。自民、公明、たちあがれ日本の野党3党が共同提出した内閣不信任決議案に、民主党の小沢一郎元代表、鳩山由紀夫前首相ら同党議員70人以上が同調する構えを見せ、否決の見通しが立たなくなったため。不信任案が可決されれば、菅首相は憲法の規定により衆院解散か内閣総辞職をしなければならず、否決されても党分裂は避けられないとみられることから、菅首相は採決前に一定の期限を区切っての自発的な辞任表明に追い込まれた。 菅首相は2日正午過ぎから開かれた党代議士会で、「大震災に取り組む。このことに一定のめどがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたいと考えている」と述べた。 これに先立って国民新党の亀
菅直人首相が東日本大震災復興や福島第1原発事故の収束にめどがついた段階での退陣を表明した2日の民主党代議士会では首相ら政権運営に対する不満が噴出した。首相が辞任時期を明言しなかったことから、終了後には小沢一郎元代表に近い議員から「本当に辞任するのか分からない」と疑問の声も上がった。 鳩山由紀夫前首相は、退陣時期について、大震災の復興基本法案成立と2011年度第2次補正予算案にめどがついた段階とした上で「国難の時だ。民主党がバラバラに見えては国民の皆さんから『何をやっているんだ』とのそしりを免れない。ぜひ一致して行動できるようお願いしたい」と呼び掛けた。 その後、小林興起衆院議員が「どうして両院議員総会を開いて議員の声を聞かなかったのか。岡田克也幹事長の責任だ」と指摘。石津政雄衆院議員も「昨年、首相が口にした全員野球が全然なされていない。それで今日のような大きな亀裂が生じた」と批判した。 ま
第190回 子どもを被曝させるな、 という当たり前の要求。の巻 5月23日、参議院議員会館で「子ども20ミリシーベルトを撤回せよ! 福島の子どもたちを守れ!」という集会が開催された。 わざわざ福島から子育てをしている親など60人が東京にやってきて、文部科学省に「学校での屋外活動における年間20ミリシーベルト」という基準値の撤回を求め、その後、集会が開催されたので私も駆けつけたのだ。 ちなみに「年間20ミリシーベルト」と聞いても素人にはピンと来ない。が、国が定める被曝限度量は年間1ミリシーベルト。その20倍の数値で「子どもを遊ばせてOK」と言っているのである。 また、屋外においては3.8マイクロシーベルト/時という基準を定めたのだが、この基準は18歳未満が働くことが禁じられている「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍。国はとんでもない数値に「安全」とお墨付きを与えてし
鳩山前首相は2日午後に開かれた民主党代議士会で、代議士会前に首相官邸で首相と会談した内容を明かし、「復興基本法を速やかに成立させ、二次補正予算のめどがついた段階で、身を捨てて頂きたいと述べた。そのことに対して、菅首相から(一定のめどがついた段階で辞任するという)先ほどの発言があった。これは菅総理と鳩山との合意だ」と述べた。
内閣不信任決議案の行方は予断を許さない情勢となり緊迫感の漂う永田町。東日本大震災による「国難」とも言える時期の政争について、与野党の国会議員事務所には「被災地の復興もまだなのに、政争をしている場合じゃない」と批判的な意見が相次いだ。【佐々木洋、鈴木一生、池田知広】 自民党の谷垣禎一総裁の京都府福知山市の事務所には、党首討論が行われた1日だけで十数件の電話があった。菅直人首相の辞任を迫ったことについて、支持者の多くは「よく言ってくれた」と評価したが、地元以外の有権者からは「本当に被災者のことを考えているのか」と批判的な意見ばかりだった。 山形や栃木、福岡などの有権者からも電話があり、「今は選挙どころじゃない」と声を荒らげる人もいたという。地元の秘書は「政権の争奪戦をやっているのではなく、菅首相の指導力を問題にしていると説明するのが大変だ」と話す。 被害が大きかった宮城県選出の民主党衆院議員事
東日本大震災の津波で全児童の7割近い74人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小の保護者有志が1日、同市教育委員会に対し、避難時の状況について検証し、改めて説明するよう要望書を提出した。 要望書は、「このような惨事を二度と繰り返さないためにも、なぜ子供たちを救えなかったのかについてしっかり検証すべきだ」と訴え、津波到達までの対応や、避難場所として北上川そばの高台を選んだ経緯など5項目について説明を求めている。 また、他の学校の例を挙げて、「校舎が津波にのみ込まれながらも安全な高台に避難させ、学校管理下の児童・生徒の命を守っている」とした。 同小周辺には、津波が逆流した北上川に沿って、ほかにも小中学校が4校あり、計13人の児童・生徒が死亡・行方不明となった。各校や市教委によると、犠牲になったのはいずれも、学校から帰宅した後だったという。
茨城県石岡市消防本部は、勤務時間外に医師の指示を受けずに救命処置をしたとして石岡消防署に所属する救急救命士の男性消防司令(54)を5月31日付で停職6か月の懲戒処分、監督責任を問い鈴木徳松消防長、同署長ら5人を訓告処分とした。 男性は同日、依願退職した。 同本部によると、男性は休日だった4月14日午後、静岡県内の東名高速道路を走行中、大型トラックが停車中の清掃車両に追突する事故に遭遇した。トラック運転手が「胸あたりが痛い」などと訴えたため、ハンドルで胸部を強打し、重症の恐れがあると判断。その後、所持していた注射器などを使い、運転手に静脈路確保の救命処置を行った。男性は一連の行為を同日中に上司に報告した。 運転手は地元の救急隊によって病院に搬送され、その日に帰宅したという。男性は東日本大震災を受け、「万が一、必要になるかもしれない」と救命備品を消防署から持ち出し、私用車に積んでいた。同本部で
東京都足立区の新聞販売店従業員寮で2004年、段ボール箱の中から多摩市の保険外交員・小出亜紀子さん(当時24歳)が遺体で見つかった殺人事件で、小出さんの両親が「娘が殺されたのは、警察が捜査を怠ったためだ」として、都に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は計1000万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決を支持し、都の上告を棄却する決定をした。 決定は5月31日付。都の敗訴が確定した。 1、2審判決によると、小出さんは03年12月〜04年1月、元交際相手の本間直人受刑者(31)(懲役13年が確定)と当時未成年の女(27)(同)に都内の女のアパートで監禁、暴行され、同月20日に死亡した。小出さんの母親や友人が03年12月、警視庁多摩中央署に捜査を依頼したが、同署は事件性がないと判断した。
日本共産党の高橋ちづ子議員は1日の衆院厚生労働委員会で、福島第1原発事故で緊急作業に従事する労働者の健康管理に万全を期し、被ばくの上限基準や労災認定の基準を改めるよう求めました。小宮山洋子厚労副大臣は、従事した労働者7829人中内部被ばく量を測定したのは約1800人であることを明らかにし、「測定されていない方が多いことは大変遺憾だ」と答え、指導の徹底を約束しました。 高橋氏は、原発労働者の労災認定基準について白血病しか対象にならないことを指摘し、同基準の見直しを要求。「5・2ミリシーベルトでも白血病を発症した人もいる」とのべ、緊急作業における被ばく線量の上限基準(250ミリシーベルト)を見直すことを求めました。 細川律夫厚労相は、上限基準について健康にただちに影響はないとしつつも、「線量が増えると中長期的な影響が生じるリスクが増大する。健康確保に万全を期す」と答弁。労災基準の見直しの「検討
衆院での内閣不信任決議案提出へ動きを急にした自民、公明両党―。しかし、「強硬」なポーズの一方で、「否決されれば信任になる。菅首相の延命になりかねない」など、両党内からも「不可解」という声が漏れてきます。 自民党議員の一人は「小沢グループの『造反』への追随が出てきて、不信任案可決の見通しがあるというから急ぐのだろうが、具体的にどの程度の可能性かはわからない」と述べます。公明党議員の一人も「不信任案『可決』の見通しは、『薄い』どころかゼロに近い。どうして急ぐのか正直わからない」とし、「このままでは菅さんの長期政権になり、次の選挙までということになりかねず、小沢さんたちが『造反』するというなら、石を投げて動かしてみよう、という程度のこと」と述べます。 再交渉 これに対し、民主党中堅幹部議員の一人は、不信任案否決→造反・棄権した小沢グループ所属議員などの除名→政局の行き詰まりの中での首相交代と「大
東京電力福島第1原発事故で、来日中の国際原子力機関(IAEA)の調査団は1日、「日本の原発が津波災害を過小評価していた」などとする事故報告書の要旨をまとめ、政府に提出しました。 報告書は、福島第1原発が地震直後に運転を停止できたものの、14メートルを超える津波でほぼ全ての非常用電源を失ったことが事故の要因と認定。 一方で、日本の原発が津波災害を過小評価してきたと指摘。原発を運転する電力会社などが全ての自然災害のリスクについて、適切に防御策を講じるべきだとしました。 さらに、原子力規制行政のあり方にも言及。経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会による規制についても、各機関の独立性担保と役割の明確化を進めるべきだと提言しました。 各国の原子力専門家18人からなる調査団は5月24日から調査を開始。東日本大震災で津波被害を受けた日本原電東海第2原発(茨城県東海村)、東電福島第2原発を視察し
日本共産党の宮本岳志議員は1日の衆院文部科学委員会で、学校で子どもが受ける放射線量は「年間1ミリシーベルト以下をめざす」とする文科省発表をとりあげ、子どもたちの全生活にかかわる放射線量引き下げ対策こそ必要だと強調しました。 宮本氏は、今回の発表がこれまでの基準値(年間20ミリシーベルト)の見直しと受け止められているが、学校にいる間(年間200日・1日8時間)しか対象にしていないと指摘。1ミリシーベルトも教員のポケット線量計を参考にしたもので、校内を動きまわる子どもたちの実態を反映しておらず、原発事故から学校開始日(4月14日)までに子どもたちがあびた放射線量を除外したものであることを示し、「子どもたちの学校外の生活はどうでもよいと考えていると言わざるをえない」とただしました。 高木義明文科相は、学校にいる間だけの目標だと認め、「(学校以外での放射線量は)政府全体で取り組むもの」と答えました
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の爆発・放射能漏れ事故で避難を余儀なくされ、出荷や作付けの停止、売り上げの減少などに苦しむ住民の生活が耐え難いものになっています。 被害の賠償について検討してきた政府の原子力損害賠償紛争審査会がようやく「2次指針」をまとめ、賠償の責任を負う東京電力も、避難した住民に加え、農漁民や中小業者への仮払いを開始しますが、あまりに遅すぎます。政府の責任で一日も早く、あらゆる被害への賠償を実現させるべきです。 毎日の生活にも事欠く 東電福島原発の事故では、原発から20キロ圏の「警戒区域」の住民が避難させられているのに加え、周辺の飯舘村など飛散した放射性物質の濃度が高い「計画的避難区域」の住民の避難も続いています。地震や津波で痛めつけられたうえ、文字通り着の身着のまま避難させられた住民は、避難所や知り合いなどに身を寄せ、毎日の生活にも事欠くありさまです。 原発か
日本弁護士連合会(日弁連、宇都宮健児会長)は1日、衆議院第1議員会館内で東日本大震災における二重ローン問題を考える院内集会を開きました。 日弁連は、大震災発生当日に緊急対策本部を設置。各地弁護士会、各自治体・日本司法支援センターなどと連携して、被災地での無料法律相談や無料電話相談を実施してきました。 あいさつにたった宇都宮会長は、1万5000件を超えた相談のうち、住宅や車、船等のローン、リースにかんする相談が大きな割合を占めることを話しました。「二重ローン問題などの不合理な債務からの解放についての提言」(4月)をはじめ、今後も積極的な立法提言、法律相談活動で被災者を支援していく、とのべました。 岩手県宮古市の小口(おぐち)幸人弁護士は「被災者は家族や自宅、仕事だけでなく、住みなれた“街”を丸ごと無くした」と発言。被災者と地場産業、地元金融機関への支援の必要性を強調しました。 工藤芳明弁護士
生活保護制度の大幅な法改悪につながる議論を政府が非公開で進めようとしています。生活保護制度は、憲法25条に保障された、国が責任をもつ最後のセーフティーネットです。国民の生存権にかかわる重要な問題を密室で決める動きに批判が出ています。 厚生労働省は5月30日、生活保護制度の改定に向けて地方自治体との協議を始めました。8月までの取りまとめを目指し、今後の協議は事務レベルですすめられます。同省は、事務レベル協議はメディアも含め「公開しない」といいます。 今回の協議について細川律夫厚労相は、初会合で「地方提案をふまえ、制度『改正』を視野に入れた、これまでと一線を画するもの」と表明しています。 大臣告示である生活保護基準についての協議でさえ社会保障審議会生活保護基準部会で公開されているのに、制度改定の骨格を決める議論を密室で進めようとしているのです。 今回の協議は、公の責任放棄という点で、国と地方の
東日本大震災で津波や原発事故で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県のハローワーク前で本紙は訪問者から聞き取り調査をしました。職場が流されて失業給付の手続きにきた人、新しい仕事を探しにきた人。口々に語るのは、「地元で働きたい」「安定した仕事がほしい」という強い思いでした。(東日本大震災取材団) 調査は、5月26~28日にかけ被災3県の沿岸部にある9カ所のハローワークで約160人から直接、声を聞きました。調査した各地のハローワークでは家族連れ、子連れなど、震災前には見られないほど大勢の相談者が訪れていました。受付には列ができ、待合席の椅子が足りず立って呼び出しを待つ人、駐車場の車の中で待つ人の姿もありました。 求人は地域以外 「働き手3人が職を失いました。お金を下ろしたら、通帳にマイナスがついた」。岩手県山田町の女性(48)は病院の看護助手をしていましたが病院が津波で全壊し職を失いました。
世界の食料価格が今後20年で2倍近くに上昇し、世界的な飢餓がいっそう深刻になりかねない―。国際支援団体オックスファム(事務局・英国)が、そう警告する報告書を5月31日、発表しました。 報告書は、今後世界の主要食料が2030年には現在と比べ70~90%上昇すると予測。気候変動による影響を加えると、120%~180%上昇すると推計しました。(グラフ) 価格上昇の背景として、報告書は50年までに世界人口が90億人に達し、食料需要が70%増加すると指摘。にもかかわらず、食料生産の大きな伸びは期待できず、今後10年間でもわずか1%にとどまると予測しています。その上、投機資本の流入がいっそうの価格上昇をもたらしていることも指摘しています。 世界では、現在でも10億人近くが飢えで苦しんでいます。 オックスファムのジェレミー・ホッブス事務局長は、全人類に必要な食料を生産する能力がある今も、こうした飢餓の実
日本共産党の志位和夫委員長は1日、国会内で開かれた5野党党首会談で、自民・公明両党から菅内閣不信任決議案の提出が表明されたことに対し、「国難ともいわれる状況のもとで、先の展望を示せないままでの不信任案の提起というのは、党略的で無責任という批判は免れない」とのべ、共同提案には加わらないことを表明しました。その後、志位氏は記者会見し、決議案には棄権することを明らかにしました。 党首会談には、日本共産党、自民、公明、社民、たちあがれ日本の5野党の党首が出席。日本共産党からは市田忠義書記局長、穀田恵二国対委員長が同席しました。 会談で、谷垣禎一自民党総裁は「菅内閣では復旧・復興はできない」とのべ、内閣不信任決議案への賛同を求めました。 これに対し、志位氏は、谷垣氏に「不信任決議案を提出することは重いものがある。可決された場合、どういう対応を考えているのか。解散・総選挙を求めるのか、内閣総辞職を求め
<楽天3-0広島>◇1日◇Kスタ宮城 ああ、今村の粘投も実らず…。広島は球団ワーストの44イニング連続無得点で楽天戦に完敗。広島先発今村猛投手(20)は5回3失点と奮闘したが、打線の現状を考えれば、勝利には縁遠い内容だった。4月16日巨人戦(マツダ)に救援登板してプロ初勝利を挙げて以降は6度先発したが、白星はつかず。今は我慢のときだ。 若きホープが苦しんでいる。うれしいプロ初勝利を挙げたあと、白星に恵まれない。この日も粘りの投球を見せたが、打線が極度の貧打に陥り、今季3敗目を喫した。小雨の降りしきる仙台。引き揚げる際、険しい表情で振り返った。 今村 全然ダメでした。防げた点を防げなかった。味方が点を取れないなかで先に点をやってはいけないですから。 この日は5回3失点。普段の状況なら、先発として最低限の仕事をこなしたといえるだろう。だが、今はチーム状態が違う。この日の試合前まで35イニング連
官僚からも批判の声、声 防衛省では「くだらないよなあ」 菅内閣不信任決議案の採決を控えた2日、震災復興や福島第1原発事故の処理に当たる霞が関などの中央省庁官僚から「政治空白は最悪の選択」「現状もひどいが、ポーカーと同じで手を変えたらもっと事態が悪くなる」との声が上がった。 インフラ復旧や仮設住宅の建設を担当する国土交通省では、幹部が「未曽有の災害と言っていたのに、政治家の感覚はどうなっているのか」と批判。「2次補正予算が宙に浮くと被災者の生活にも支障が出る」などの声が相次いだ。 不信任案に賛成するため辞表を提出した三井弁雄副大臣は同省で復興策を取りまとめる責任者。中堅幹部は「せっかく各局がまとまっていたのに」と不安な表情。 原子力安全・保安院を抱える経済産業省。東京電力に賠償支援する政府方針は決まったものの、法案化は宙に浮いたままだ。「施策を決めても、政治家が政局で忙しくてなかなか
被災者そっちのけ 不信任案提出に避難所から怒りの声 菅内閣の不信任決議案が衆院に提出され、民主党が分裂含みの緊迫した局面を迎えた1日、東日本大震災の被災地では「被災者置き去りの権力争いだ」と国政への批判が渦巻いた。復興の最前線で陣頭指揮する被災地の首長たちは「政局の場合か」といら立ちをあらわにした。 ◎首長、いら立つ/解散・総選挙、不安/政治力の力、使い方間違っている 「怒りを感じる。政局はやめてほしいというのが被災地の声だ」 気仙沼市の菅原茂市長は、厳しい口調で住民感情を代弁した。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「非常に不本意だ。国会議員の多くが被災地を見ているはずなのに、政局にかまけている場合か」と反発した。 東松島市の阿部秀保市長は「復興のスピードが損なわれかねない」と政治空白を懸念。「誰かがおぼれていたら『誰が助けるか』ではなく『どうやって助けるか』が大事ではないのか」と現場不在
仙台・東部沿岸地域の集団移転先 田子など3地区候補 仙台市議会は1日、東日本大震災対策特別委員会を開き、市が策定した「復興ビジョン」を中心に議論した。津波で住宅が壊滅した東部沿岸地域の集団移転先について、市は宮城野区田子、若林区荒井に加え、若林区下飯田の計3地区を候補に挙げていることを明らかにした。 田子、荒井両地区は計画中の土地区画整理事業地を想定し、下飯田地区は地権者らと協議して新たに整備する方針。奥山恵美子市長は「市民は安全な宅地を求めている。地下鉄東西線の荒井駅周辺は有力な候補地で、東西線の意義に役割が加わった」と述べた。 福島第1原発事故を受け市は来週、大気中の放射線量の測定を始めると表明。測定器10台を導入し、1台で複数の地点を測る。市長は「地域的なバランスを考え、子どもたちが過ごす小中学校や保育所での測定を検討する」と述べた。 特区制度については山田文雄震災復興本部長が
なお10万を超す避難者や、生活再建に取り組む人たちの目にこの攻防はどう映っているだろう。自民、公明など野党は1日、菅内閣に対する不信任決議案を提出した。 衆院本会議で2日に行われる採決では民主党議員の大量造反が見込まれ、党の分裂含みで状況は緊迫している。東日本大震災の復旧のさなか、自民党はあえて倒閣へ勝負に出た。だが、納得するに足る大義名分が掲げられたとは言い難い。 なぜ今、不信任決議案なのか。谷垣禎一自民党総裁が「おやめになってはいかがか」と退陣を促し、菅直人首相が「復興、原発事故収束の責任を果たしたい」と拒んだ党首討論の応酬を聞いても疑問は解消できなかった。 谷垣氏は政権発足以来の民主党の選挙での敗北、米軍普天間飛行場移設の停滞などを挙げ「人徳も力量もない」と首相の指導力を批判した。だが、大震災を経た国会のさなかで決議案を出すからには震災、原発事故対応で「なぜ首相ではだめなのか」、さら
炎上した特急列車と同型の車両に取り付けられている推進軸(中央)。右側上部が減速機のつりピンの入った部品=札幌市手稲区で2011年6月1日、平田明浩撮影 北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線トンネル内で起きた特急列車の炎上事故で、脱線の要因となった推進軸が外れる事故が全国のJRで91年以降に少なくとも18件あったことが、JR各社への取材で分かった。エンジンと車輪をつなぐ推進軸はディーゼル車両の構造上、最も負荷がかかりやすい箇所とされ、専門家は整備の徹底を求めている。 炎上した特急スーパーおおぞら14号は、トンネル手前約1.8キロで減速機と台車を固定する「つりピン」が落下。その影響で減速機につながる推進軸が異常振動を起こし、継ぎ手などの部品が次々と脱落して脱線を引き起こしたとみられる。 JR各社によると推進軸が外れるトラブルは、把握しているだけで▽JR北海道1件▽東日本5件▽東海1件▽西日本
東日本大震災で被災した宮城県沿岸部の復興イメージを盛り込んだ、県の「震災復興計画」の原案が1日、明らかになった。居住地の高台移転を進めて沿岸の産業エリアに通勤する「高台移転・職住分離」と、幹線道路や鉄道を盛り土構造に変えて堤防の役割を持たせる「多重防御」の二つが柱。3日に東京都で開かれる県震災復興会議で発表する。 原案は、津波被害を受けた沿岸15市町を「原形復旧による復興は極めて困難」と位置づけた上で▽三陸▽石巻・松島▽仙台湾南部の3地域に分けた。平地が少ない三陸地域と石巻・松島地域の一部は、冠水被害対策として居住地を高台に移転。沿岸部には産業エリアとして再編・集約した漁港を整備したり避難ビルなどを建設する。 高台の確保が困難な仙台湾南部や石巻・松島の一部は、堤防のかさ上げや盛り土構造の道路や鉄道を組み合わせて津波に備える。 また、原案には東北地方への首都圏機能の一部移転を盛り込んだ一方で
経済産業省は1日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)産業競争力部会(部会長・伊藤元重東大大学院教授)の初会合を開き、電力システム改革の議論を始めた。電力会社の発電部門と送電部門の分離(発送電分離)や電力需給を調整するスマートグリッド(次世代送電網)、再生可能エネルギーの拡大などを検討する。 また、卸電力取引所の機能を強化し、企業が節電した電力を売却して利益にできるようにしたり、自家発電を持つ企業が電力を売買しやすくすることも検討し、既存の電力会社に頼らない分散型の電力供給システム作りを目指す。大災害などにも対応できるインフラを整備するため、電力システムへの公的関与の必要性も検討課題になる。 同部会は産業界からの意見も聞きながら、震災で寸断されたサプライチェーン(部品供給網)の強化や産業空洞化対策なども議論する予定。6月末までに論点を整理し、政府の新成長戦略実現会議の議論に反映させる方針だ。
東日本大震災:宮城県の復興原案判明 (2時30分) 福島第1原発:事故調事務局長に小川最高検検事 (1時31分) 東日本大震災:福島3校連合、高野連が承認 (22時16分) 福島第1原発:水温、順調に低下 2号機・冷却装置稼働 (21時09分) 東日本大震災:東北地方、被災者対象に高速無料化 (21時07分) 東日本大震災:ホカホカはおいしい…ご飯の給食再開 石巻 (20時52分) 東日本大震災:影響受け倒産、全国で131社 (19時57分) 東日本大震災:仮設校舎建設、浸水域外に変更 大槌町教委 (19時12分) 東日本大震災:日銀の白川総裁、生産の早期回復に期待示す (19時12分) サポート情報:ボランティア…1日現在 (19時06分) サポート情報:労働・雇用…1日現在 (18時43分) サポート情報:心のケア勉強会…1日現在 (18時42分) サポート情報
JR北海道の中島尚俊社長は1日、JR石勝線の事故後初めて会見し「乗客にけがをさせたうえ、大変な恐怖を与え、申し訳ない」と陳謝。事故の責任を取り、役員15人全員を30~10%の減俸(3カ月)、部長級33人の夏季賞与を5%減額することを明らかにした。【吉井理記】
草原の中に原発が立つドイツ南部ビブリス。原発と共存してきた住民は「原発も町の風景」と語る=篠田航一撮影 【ビブリス(ドイツ南西部)篠田航一】福島第1原発の事故を受け、ドイツのメルケル政権の連立与党は先日、国内全17基の原発を2022年までに廃止することを決めた。今後は風力や太陽光発電など再生可能エネルギーを拡充し、発電量の2割を占める原子力の消滅分を補う方針だ。だが、事故から3カ月弱での原発閉鎖決定は主要国では突出した反応で、原発を抱える町の住民や電力不足を懸念する産業界からは不安の声も上がっている。 「日本を恨んでいる。フクシマのせいで、ドイツも原発をやめてしまう。だから俺は、原発で働くことができない」。国内17基中、最古のビブリスA原発(稼働開始1974年)を抱えるビブリスの住民、ミュラーさん(47)は涙をこぼしながら語った。ドイツ各地の原発で原子炉の清掃作業員をしていたが、人員整理で
文化庁は1日、世界文化遺産への登録が有力になっている「平泉」(岩手県平泉町)の構成資産の一つである毛越寺(もうつうじ)の庭園の立石に傾きが生じたと発表した。東日本大震災の余震(4月7日発生)が原因とみられ、文化庁と平泉町教育委員会は復旧に向け検討を始めた。世界遺産登録について文化庁は「適切に対応すれば影響はない」としている。 文化庁によると、立石は庭園内の「大泉が池」の島にあり、地表からの高さ約2.3メートル、幅約1~1.2メートル。地面から突き出ており、その根元で幅約5センチの隙間(すきま)が生じ、頭頂部も元の位置から約20センチのずれが確認された。毛越寺は国の特別名勝に指定されており、復旧には国の許可手続きが必要になる。【木村健二】
第93回全国高校野球選手権福島大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の第1回運営委員会が1日、福島県郡山市で開かれ、7月13日からの大会開催が正式に決まった。震災や原発事故による影響に配慮した運営方針が定められ、選手の被ばく量を抑えるため開会式や試合前のシートノックなどの時間を短縮。観客が安心して観戦できるよう各球場で毎朝放射線量を測定し、数値を張り出す。 また、野球を通して被災者に元気になってもらおうと、始球式は沿岸部の被災自治体からメーン球場周辺に避難中の小中学生に依頼。開会式には郡山市のビッグパレットふくしまに避難している約100人を招待する。入場料は全試合無料。 球場の芝生や土の入れ替え、雨天時の開催などについては、今後専門家の意見を聞いた上で対応を考えるという。岩渕賢美県高野連会長は「注目度の高い大会なのでしっかり対策を取りたい」と話した。【長田舞子】
国土交通省は1日、東日本大震災の被災者や中型車以上の車種を対象に、東北地方を中心とした高速道路を無料化すると発表した。震災復興支援が目的で、20日からスタートする。09年3月から始めた「休日(土日・祝日)上限1000円」の割引制度と、全国50区間で実施していた無料化の社会実験は、20日午前0時で打ち切る。 無料化の対象は東日本高速道路会社が管理する道路で、福島県の白河インターチェンジ(IC)以北の東北道、水戸IC以北の常磐道、磐越道全線と、その他東北地方と一部新潟県にかかる道路。青森道、山形道の一部などは無料化実験打ち切り後も、新制度の無料化対象となる。 被災者対象の無料化は当面1年間の実施を予定。被災者は東京電力福島第1原発事故による避難者も含み、地元自治体が発行する罹災(りさい)証明書や被災証明書を料金所で提示すれば、全車種が無料となる。被災者が運転できず、同乗する場合も適用する。 ま
東日本大震災の影響で倒産した企業が5月末時点で全国で131社に上ることが1日、帝国データバンクのまとめで分かった。4月末時点(66件)からほぼ倍増しており、次第に影響が深刻化していることが浮き彫りになった。発生後2カ月半で51社だった阪神大震災に比べ2.5倍に上る。 倒産理由で最も多かったのは間接被害(86.3%)で、得意先の被災や消費自粛などによる売り上げ減少で倒産するケースが多い。業種別では旅館・ホテル(16社)のほか、自動車関連産業(14社)や建設業(12社)も目立つ。生産減や工期延期などで資金繰りが悪化し、倒産する例が増えているという。被害の大きい岩手、宮城、福島3県の全容はまだつかみきれておらず、帝国データバンクは「今後、倒産数は確実に増加するだろう」と話している。【井出晋平】
二戸の蔵元が東北の酒PRに奔走 「飲んで支援を」 トークショーで東北の地酒の魅力をアピールする久慈さん=東京・六本木 東日本大震災で花見の自粛ムードが広がっていたことし4月、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で、被災地の地酒の消費拡大を呼び掛け、話題となった岩手県二戸市の酒造会社「南部美人」専務の久慈浩介さん(39)が、東北の地酒のPRに駆け回っている。テレビやラジオ、トークショーにひっきりなしに登場しては、「東北の食材を食べながら、東北のお酒を飲むことが被災地支援につながる」と呼び掛けている。 5月20日に東京・六本木の東京ミッドタウンで開かれたチャリティーイベント(TOKYO FM主催)。久慈さんは、軽妙な語り口で東北の地酒を売り込んだ。この日だけで、ほかにもラジオ番組2本とトークショーに出演した。 久慈さんがユーチューブで、花見の実施と東北の地酒の摂取を訴えたのは、日
秋田看護大学生ボランティア 陸前高田に継続派遣 出発を前に、学生を代表してあいさつする藤井さん(右から3人目) 日本赤十字秋田看護大と同短大は、東日本大震災で避難所になっている岩手県陸前高田市の第一中に学生をボランティアとして継続派遣することを決め、1日、第1弾として16人が出発した。8月上旬まで定期的に続ける。 出発を前に、同大構内で看護学部3年の藤井歩美さん(21)が学生を代表してあいさつした。藤井さんは陸前高田市出身。震災で叔母を亡くし、実家が被災。古里の役に立ちたいと参加した。 藤井さんは「被災者のために何ができるかを考えながら、学生16人で頑張ってくる」と決意を表明。森美智子学長は「若い力を発揮し、赤十字の代表として被災者の助けになってきてほしい」と激励した。 同大と短大は毎週水曜日、学生約15人を交代で第一中の避難所に派遣。3泊4日の日程で滞在し、食事の準備や物資の仕分け
東北大が「片平」一部売却を断念 新キャンパス見直し 東北大が、学校法人東北学院と売買交渉を進めていた仙台市青葉区片平2丁目の片平キャンパスの土地の一部について、売却を断念する方針を固めたことが1日、分かった。近く正式決定する。関係者によると、地価低迷に加え、東日本大震災で大学全体の損害が多額に上り、青葉山新キャンパスの計画を一部見直す必要が出てきたことに伴う措置だという。 東北大が売却を断念したのは、片平キャンパスの南側エリア。面積は5.5ヘクタールで、電気通信研究所がある。 東北大は同研究所を新キャンパスに移転し、跡地の売却益を移転費用に充てる計画だった。売却断念で、同研究所は現在地で存続する。 東北大関係者によると、新キャンパスの整備方針を策定した2005年に比べて地価が大幅に下落した。現状では同研究所の移転費用が土地の売却益を上回り、大幅な赤字となる見通しだという。 加えて、
伊賀市の第三セクター・伊賀鉄道は31日発表の10年度決算で、3億1700万円の経常損失を計上した。前年度比で1700万円の赤字拡大で、通学利用者の減少が響いた。 輸送人員は通勤定期利用27万8000人▽通学定期利用110万8000人▽定期外利用43万9000人で、いずれも前年度比3~5%減少した。運輸収入は2億5300万円で、同4・8%の減少となった。「沿線高校の定員が削減されたうえ、東日本大震災による3月の出控えが影響した」と分析。市などの補助金7000万円と、近鉄の補填(ほてん)で、赤字を処理する。 ◇新社長に野口氏 また、新社長に野口満彦・養老鉄道社長(68)を迎えたと発表した。就任は31日付。岡根修司前社長(62)は近畿車輛専務に就任する。野口氏は65年、近鉄入社。副社長などを務めた。【伝田賢史】 〔伊賀版〕
福島県南相馬市からの報告を続けよう。福島第一原発から20キロ、30キロの線で市域が3つに分断されてしまった街である。 「地震・津波」と「原発災害」の2つの被災地(死者・行方不明者は福島県で最多)であるこの街を訪れるにあたって、聞いておきたいことがあった。東京その他の全国で流れているマスコミの報道について、地元の人たちがどう思っているかである。そして、「東京」を筆頭とする他の地域の人々が「被災地」「被災者」に向ける視線についてどう思うか、である。 私がびっくりしたのは、南相馬市の市役所を取材に訪れた時だ。取材が終わり、担当の男性職員と軽い雑談になったときだ。 「NHKも朝日新聞も(南相馬市から)撤退してしまった。こないだ朝日はファクスで取材の問い合わせ来てたよね? あれどこだった?(福島市の電話番号だと同僚が言う)ほら、福島市ですよ。福島市から電話とファクスで取材してくるんだよなあ」 福島市
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