前市長の解職請求(リコール)を発端にした中津川市の出直し市長選は、元JA専務の青山節児氏が初当選を果たしました。市政混乱の背景には、市町村合併による地域間格差の問題があるとされていましたが、唯一の旧郡部出身の青山氏の当選で、より鮮明になったようです。青山氏は初登庁日の記者会見で、あらためて新図書館建設中止を表明し、旧郡部と旧中津川市との「南北問題の解決」を掲げましたが、新たな南北問題を生み出さないよう丁寧な市政運営が求められます。 現在の中津川市は05年2月、恵那郡6町村と長野県山口村が、旧中津川市に吸収合併される形でスタートしました。99年から始まった「平成の大合併」は、中山間地の人口減少や高齢化などを背景に、自治体の広域化で行財政基盤の強化と地方分権の推進を図ろうと国主導で進められたものです。しかし、市町村が比較的自由に使える合併特例債というアメ玉に肩を押されて拙速に合併を進めた自治体