海外での事業拡大に伴って英語の重要性が増しており、新入社員の語学力を早期に高めようとの狙いからの施策だろう。語学力養成の方法として多読法は目新しいが、英語に慣れるという意味では効果がありそうだ。 しかし、500冊は過激である。そもそも学生の多くは、日本語の書物でさえ学部の4年間で500冊も読んでいないだろう。どんな英書を読ませるのか? どういう読み方を推奨しているのか?効果はあるのか? クレハ本社に山田文彦人事部長を訪ね、導入の経緯、施策の詳細、他の語学力養成への取り組みについて聞いた。 ――「英書3年で500冊を」という新聞記事には驚きました。こういう施策を導入された背景を教えてください。 クレハの事業は安定的に推移しており、グローバル展開も順調だ。ただ、事業はグローバル化したが、人のグローバル化が遅れており、育っていない。そしてグローバル人材は促成栽培できるようなものでもない。 ここで