政府・与党は28日、日本政策投資銀行(政投銀)の完全民営化を撤回する方針を決めた。同日、開かれた与野党協議で大筋合意したもので、政府が影響力を行使できるよう、将来も株式の3分の1以上を保有し続ける。 金融危機で民間金融機関の体力が細り、企業への貸し渋りが深刻化、政府系金融機関の緊急融資に需要が集まっていることに配慮した。だが小泉政権が掲げていた「官から民へ」との構造改革は頓挫、「民業圧迫」との批判もくすぶっている。 完全民営化の撤回は、衆議院財務金融委員会の与野党協議で、衆議院に提出中の政投銀法改正法案に、野党が示した修正を反映させることで大筋合意したことによる。 政投銀は昨年10月、将来の完全民営化を前提に政府が100%の株式を保有する株式会社に転換した。当初は政府が株式を順次、売却し、株式会社化から5~7年後の完全民営化を想定していた。だが金融危機に伴う景気低迷で、企業への緊急低利融資