裁判員制度と報道の関係は、どうあるべきか。それに対する報道機関の姿勢を問うような「逮捕劇」が、裁判員制度がスタートしたまさにその日に起きた。「中央大学教授殺害事件」での、元教え子の逮捕である。 それを伝える新聞やテレビを見て、違和感を感じた人も多いのではないか。 裁判員裁判の開始に向けて、事件報道のあり方を変える。新たな報道指針をつくる。そういったことをマスコミ各社はうたっていたはずなのに、実際の報道は、これまでとほとんど変わったところがないように思えるからだ。新聞に限っていえば、確かに各社は工夫を凝らし、記事表現の方法を(一部ではあるが)変えている。「・・・と供述していることが、捜査本部への取材で分かった」というスタイルは、その典型だ。各社によって表現方法の際はあるが、これが裁判員制度下での記事表現で、一番目立つようになったスタイルだ。 この種の表現は、これは捜査当局への公式発表ではあり
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