パラドックス社の『Hearts of Iron2』で日本をプレイすると誰もが気づく構図がある。 それは、日本経済にとってアメリカとイギリスはなくてはならぬお客様であるということだ。日中戦争をうまくやって中国を占領しようが、工業力に比して、資源が不足しがちな点に変化はない。70年前のアジアは自給自足には向いていないのだ。全力で戦争は避けて、ひたすら商売。これが『Hearts of Iron2』での日本が勝利するもっともシンプルな道である。どうしても大戦争がやりたければ、イギリスかアメリカと仲良くしてナチスドイツと戦う『紺碧の艦隊』(荒巻義雄)プレイがお勧めだ。 さて、以上はゲームの話であるが、現実もそんなものである。 『徹底検証「無資源国」日本の内実』という森本忠夫先生の記事によると、戦前の日本の貿易メカニズムは、三つの環節によって成り立っていたという。 ・第一環節:日本(生糸)-アメリカ