為替相場が一時1ドル=124円を突破したことを受けて、市場関係者などからは「円安の行き過ぎ」や「日本経済にとってプラスではない」といった声が出ている。円安は日本経済にとって本当にマイナスなのだろうか。 円安にはメリット、デメリットの両面があるとしても、短期的には景気に対してメリットが大きいと考えるのが一般的である。購買力を低め内需を低迷させる効果よりも、外需を増加させる効果の方が大きいとみられるためだ。 こうしたメカニズムを確認するには、マクロ計量モデルの推計結果が有用である。日本では、少なくとも数年の期間では自国通貨安(円安)は国内総生産(GDP)にプラスの影響を及ぼす。これは、内閣府の短期マクロモデルでも確認できる。10%の円安によって、GDPは0・2~0・5%程度増加する。 この事実を指摘すると、「日本は輸出依存型経済であるためで、輸入超過の米国経済では事情が異なるのではないか」とし
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