・ドラッカー名著集1 経営者の条件 ドラッカーの名著『経営者の条件』(原著1964年出版)の最新訳。英語の原題は「The Effective Exective」である。経営者の条件と訳されているが、『できるエグゼクティブ』の本である。ドラッカーは上司に命じられたこと以上の仕事をする人はすべてエグゼクティブであると言っている。狭義の経営者よりも読者層は広い。 名言、名文が満載の本だが、マイベストのセンテンスを並べてみる。 ひとつめはドラッカーといったら、やはり「真摯さ」である。この本にも出ていた。 「人間性と真摯さは、それ自体では何事もなしえない。しかしそれらがなければ、ほかのあらゆるものを破壊する。したがって、人間性と真摯さに関わる欠陥は、単に仕事上の能力や強みに対する制約であるにとどまらず、それ自体が人を失格にするという唯一の弱みである。」 仕事に全身全霊を傾けて、仲間と心から笑ったり泣
近頃はドラッカーがプチブームになっています。書店で特設コーナーを見かけることも珍しくなくなってきました。こういう状況になると「タイトルにドラッカー付ければ売れるだろ」的な本が散見されるのですが、一瞬この本もそんな「とりあえず」的な本かと思いました。 「最強の勉強法」とはいささか大げさな名前ですが、この本が「ドラッカー流」であることは保証します。看板に偽りなし、です。 本書は「勉強法」となっていますが、これは試験に合格するためのような勉強法ではありません。むしろそれは、一人の社会人がどのように知識を学び、そして外に向けて出していくかという、「知的生産の技術」であると言えるでしょう。 数々の著作を残してきたドラッカーの「知的生産の技術」に興味がある人は多いと思います。そのエッセンスを新書一冊にまとめたという非常にお買い得な一冊になっています。 学び、続ける ドラッカーがその出現を予見した「知識
ドラッカーはいいます。一流の仕事をするには、まず自己の強みを知ること。そして、仕事の仕方を知り、学び方を知る。価値観を知る。自己を知ることで、得るべき所がわかり、なすべき貢献が明確になる、と。 これは、エッセンスが凝縮されたドラッカー論文集で紹介したHBR6月号に掲載されていた1999年発表の論文「自己探求の時代」の要約です。もう少し詳しく紹介してみましょう。 自己の強みは何かを知る 自己の強みを知るには、フィードバック分析しかない。すなわち、なすべきことを決めたり、始めたりしたならば、具体的に書き留めて置くのである。そして、九ヶ月後、一年後に、その期待と実際の結果を照らし合わせなければならない。私自身、これを五〇年続けており、そのたびに驚いている。 自己について知るうえで、最も重要なのは強みを知ることだとドラッカーはいいます。強みを知るには、自分が行ってきた実績や行えなかったことを記
「コップに半分入っていると、コップが半分空であるとは、量的には同じである。だが意味は違う。とるべき行動も違う。世の中の認識が、半分入っているから半分空であるに変わるとき、イノベーションの機会が生まれる」(『イノベーションと起業家精神』) ドラッカーは、最近健康に関して大きく変化したものがあるとするならば、加齢、肥満、慢性病への意識という認識の変化だけであるという。この認識の変化がビジネスを起こす。 ついこのあいだまで、ごく小さな医療の進歩でさえ、大いなる前進とされていた。ところが今日では、きわめて大きな進歩さえ、さして驚かれない。むしろ進歩の遅さへのいらだちさえうかがえる。 原因が何であれ、一般の人たちの、この認識の変化がイノベーションの機会となる。認識の変化をイノベーションの機会としてとらえる者は、成功の打率が高い。 健康に関する書籍が次々に発刊されている。テレビでは朝昼晩と健康番組
この夏、私は東京の書店のビジネスコーナーを見て回って、ピーター・ドラッカー用に割かれた書棚スペースの量に驚いた。米国あるいは欧州では、ドラッカーの書籍を見つけるのに相当苦労するからである。 彼は、年齢が上の世代の人々の間ではいまだによく知られており、広く読まれてはいるが、最近のビジネスパーソンはジム・コリンズやマルコム・グラッドウェルといった、より若い専門家を好んで読んでいるのだ。 我々が読むべきと言われたのはたった1つの論文だけ 私が2004年から2006年にかけてハーバードビジネススクールに在籍していた時には、我々が必修として読まなければならなかったドラッカーの論文は1つだけだった。ハーバードビジネスレビューに掲載された「自己探求の時代(Managing Oneself)」だ。 ドラッカーが4年前に亡くなっていなかったとしたら、今年の11月19日で100歳になっていたはずである。その生
2009-11-03 加筆 この記事で紹介している詩の本当の作者は「ピーター・ドラッカー」ではないという情報と、それを調べた以下の記事を教えていただきました。 「95歳の老人の詩」の本当の作者 – サイコドクターぶらり旅 上記サイトではナディーン・ストレイン作という内容から、追記にて以下の様にドン・ヘロルド作ではないかという流れで括られています。 ナディーン・ストレインのオリジナルではないようなのだ。ナディーンの文章は、ドン・ヘロルド(1889-1966)というアメリカのユーモリストがリーダース・ダイジェストの1953年10月号に掲載したエッセイに酷似しているのである。両者を比較したページもあるが、これは確かにインスパイアなどと言い逃れできないほどそっくりだ。 元々の情報ソースは、以前参加したセミナーで初めて聞いたものをウェブ上で検索してという曖昧なものです。誤解を招くような内容を掲載して
「成果をあげる秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない」(『プロフェッショナルの条件』) 行なうべき貢献を分析すれば、当惑するほど多くの重要な仕事が出てくる。時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間は、あまりに少ないことがわかる。いかに時間を管理しようとも、時間の半分以上は依然として自分の時間ではない。 時間の収支は常に赤字である。真に生産的な半日あるいは2週間を手に入れるには、厳しい自己管理とノーと言うだけの不動の決意を必要とする。 人には驚くほど多様な能力がある。人はよろず屋である。だがその多様性を生産的に使うには、それらの多様な能力を一つの仕事に集中することが不可欠である。あらゆる能力を一つの成果に向けるには集中するしかない。 時間と、労力と、資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種
はじまりもし高校野球の女子マネージャー(名前は仮にみなみちゃんとしよう)が、ドラッカーの「マネジメント」を読んだら、彼女はきっと驚くだろうな。なぜなら、そこには彼女が所属する野球部と、彼女自身のことが書いてあるからだ。「マネジメントなしに組織はない」「マネジメントは企業だけのものではない」「マネジャーをしてマネジャーたらしめるものは、成果への貢献という責務である」 「所属する野球部に何とか成果を出させたい。そのためには自分に何かできることをしたい」そう考えていたみなみちゃんは、この本が「自分のために書かれたもの」であることを確信する。だから以降、そこに書かれていることを脇目も振らず実践するようになる。 野球部におけるマネジメントの役割みなみちゃんは、「マネジメント」を読み進める。するとドラッカーは、マネジメントには三つの役割があると説く。そこでみなみちゃんは、それらについて一つ一つ自分に当
ピーター・F・ドラッカーの著書「傍観者の時代」の中で、心に残った一節。長いけど丸ごと引用する。 私が思うに、世の中には、いつまでもバッタのように個別の問題に取り組んでいる人がいる。一般化することができずに、コンセプトを把握することができないでいる。科学者にもいるし、ビジネスマンにもいる。 ところが優れたビジネスマンは、優れた科学者や優れた芸術家と同じように、ヘンリーおじさんと同じ頭の動きをする。最も個別的、最も具体的なことから出発して、一般化に達する。 五〇年前の当時、人はまだあまりに経験志向だった。システム、原理、抽象化が必要とされていた。事実、私は当時、数論理論学と出会って一種の開放感を味わったことを覚えている。 しかし、今日ではわれわれは、逆の意味で再びヘンリーおじさんを必要とするに至っている。今日ではあまりに多くの人が、検証抜きの定量化、形式だけの純粋モデル、仮定による理論に傾斜
ピーター・ドラッガーが90歳(!)を越えたころ書いた本である。あまりに感動的なので、その一部を要約する。 Part 3 自らをマネジメントする - 1章 私の人生を変えた七つの経験 1.目標とビジョンをもって行動する---ヴェルディの教訓 ヴェルディは80歳を超えてオペラ「ファルスタッフ」を書いた。 ヴェルディの言葉「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」 失敗し続けるに違いなくとも完全を求めていくことの重要性。 2.神々が見ている---フェイディアスの教訓 誰にも見えない彫像の背中・・・しかし「そんなことはない。神々が見ている」 誰にも気づかれなくても完全を求めていくことの重要性。 3.一つのことに集中する---記者時代の決心 一時に一つのことに集中して勉強する。 4.定期的に検証と反省を行う---編集長の教訓 「集中すべきことは何か」「改善すべきことは何か」「勉強す
ドラッカーはこうも言っている 「会議とは原則ではなく、例外であるべきだ」と 2007年11月14日 水曜日 木内 一朗 「不毛な会議」していませんか? 確か、「自分の言葉で語ること(2)」では、 言葉は曲者、同じ言葉でも、人によって使用している意味が違うので注意が必要だ、 と書いた。 素直にその文脈に従うならば、不毛な会議の原因も、会議中みんなが同じ言葉を違う意味で使い、結果として、議論が不毛になっているのかもしれない。 ということで、今日のテーマは、近頃ではすっかりキーワードとなった「会議」である。 ある僕の実務体験を通じて、会議自体の存在意義について語った について、思うところを話してみたい。 まずは舞台設定。今日の舞台は「企業再生」の現場の1場面である。あなたが、あるファンドから中小企業の再生のためのコンサルタントを引き受けた。 キャッシュフローの止血はひと段落した。次に、伸ば
Name:zuka Birth:1969/12/19 Job:marketer 一言:東京都港区にある会社で働いてます 補足:このブログの記載内容は、わたし個人の考えや意見であり、所属する組織・団体とは関係ありません。 (10/16)糖質制限ダイエットで、3週間 -3kg! (11/04)アイドリング谷澤恵里香さんのウエストを13cm縮めた横手式トレーニングをはじめました (09/09)ユニクロがジル・サンダーの次に選んだのはAKB48 前田敦子 (09/09)さらばジル・サンダー(ユニクロの残念な決断) (11/12)Seesaaさんからプレゼントが届きました! (10/10)ホットヨーグルトダイエット? (10/06)ついにきた!auの本命スマートフォン「IS03」が11月登場 (09/30)ニンテンドー3DSは25,000円で2011年2月発売 (09/26)『スーパーサイズ・ミー』
ドラッカーは,ネクスト・ソサエテイ(上田惇生訳,ダイヤモンド社)の中で,「今日のCEOに最も必要とされているものが情報責任である」(P.108,L6)と述べています。 CIOは,このことに対して,どのように対応するのでしょうか。 「情報責任」とは,何か。 ドラッカーは,「情報責任」について,以下のように述べています。 今日のCEOに最も必要とされるものが情報責任である。「どのような情報が必要か。どのような形で必要か」を考えることである。そうして初めて,情報の専門家が,こういうものをこういう形で得ることができると答えてくれる。 しかし,実はその答えさえさほど重要ではない。技術的なことに過ぎない。重要なのは,「いつ必要か。誰から得るか。そして自分はどのような情報を出さなければならないか」という,より根本的な問題のほうである。 この説明からすれば,情報責任は,話題となっている「財務報告の信頼性を
実は、僕はドラッカーが大好きです。ドラッカーをご存知ない方は、Wikipediaをどうぞ。ものすごく単純に言ってしまうと、近代マネジメントの原型を作った人という感じです。 けれど、その多くの著作は小難しい経営手法ではなく、個人というものに焦点が合わせられています。その中で、現在にも通じるはずのlifehack的な手法がありますので、紹介します。ちなみに、僕は3年くらい前から半年に一度ほど実行しています。 さて、その手法は「フィードバック分析」というものです。やり方はいたって単純です。 今年、もしくは半年に一度、「現在、自分がやっている仕事」、もしくは「新しく始めた仕事」を書き出します。 その各々の仕事に、「その期待する成果、目標、結果」を書き出しておきます。 その書き出したデータや書類をどこかに保存しておきます。 半年後、もしくは一年後にそのデータや書類を取り出し、「その期待する成果、目標
社会生態学者、ピーター・ドラッカー氏が2005年11月11日に亡くなってから早くも1年が経った。この1年の社会の動きは目まぐるしかったが、変化が激しい時こそ、本質をつくドラッカー氏の言葉に耳を傾けるべきではないだろうか。こう考え、ドラッカー氏とのロングインタビューの記録をひもといてみた。 幸いにも、私はこれまで3度、ドラッカー氏にロングインタビューする機会に恵まれた。最初のインタビューは1997年のことだったが、当時のメモを見直してみると、現在に通じる示唆的な発言が満載されていた。1999年の2度目、2003年の3度目のインタビュー内容もまったく古びていなかった。 ドラッカー氏の魅力はたくさんあるが、何と言っても、物事をとらえるスケールにはインタビューのたびに圧倒された。現在起きている事象を読み解く際に、こちらが予想もしていなかった歴史上の逸話を持ち出し、それらを対比して、目からうろこ
先日、ダイヤモンド社の人と会う機会があったのだが、その時に出たのがドラッカー博士の「経営者の条件」という本の話。題名が「会社経営者のため」の本という誤った印象を与えるために、読者層が偏っているらしい。ドラッカーファンとしては、これは何とかしなければならない。ということで、今日はその誤解を解くためのエントリー。 原題は "The effective executive"、直訳すれば「成果のあげられるエグゼクティブ」。日本語にしにくいのが、このエグゼクティブ。決して「経営者」でもなければ「管理職にある人」でもない。立派なスーツを着た商社マンのことでもない。一言でいえば、「なんらかの意思決定をする立場にある知識労働者」のことである。(この業界で言えば、「次のプロジェクトはRubyを使った開発に切り替えるべきか」、「次世代テレビにはどんな機能を盛り込もうか」、などなどの意思決定) ドラッカーが他の
「問題の明確化としっかりした定義づけができ、それによって観察可能なすべての事実を網羅しうるまでは、そうした問題の定義づけは不完全であったり、間違ったものになる」
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