日経バイトの2004年4月号「技術の神髄」に掲載した記事を再録しました。記事の内容や執筆者のプロフィールは当時のままです。 かつては日本語に特化した配列や信頼性の高い機構を採用するなど、さまざまな製品が世を賑わせた。パソコンが日用品となった今、その付属キーボードの多くはコスト削減を最優先して配列や形状、構造に工夫がない。しかし人とパソコンをつなぐ役割の大切さは今も昔も同じ。もっと高い品質の製品が登場すべきではないか。 現在、パソコンのキーボードは「106/109A」配列が圧倒的だ。パソコンの解説書やタイピング教本を取ってみても、そのほとんどが「106/109A」キーボードを前提にしている。 キーボードの機構も同様だ。詳細は後述するが、スイッチはシート状の「メンブレン」、キーを保持する土台はプラスチックの一体成形と相場が決まっている。もはやパソコンは日用品であり、キーボードはその一部にすぎな