JFEスチールの今年度の粗鋼生産量が2800万トンを大きく下回りそうだ。10月に起きた西日本製鉄所・倉敷地区の第2高炉(炉容積4100平方メートル)の操業トラブルに続き、今月13日には東日本製鉄所・千葉地区の第6高炉(炉容積5153立方メートル)が操業トラブルで停止した。現在は操業を再開しているものの、炉内が安定し、通常操業に戻るのは1月中旬になる見通し。また、再火入れを行って立ち上げを進めている倉敷地区の第2高炉も通常操業に戻るのは当初予定の12月下旬から来年1月中旬に遅れる見込み。ほぼ同時期に高炉2基がトラブルを起こす「異常事態」(JFEスチール関係者)で、下期だけでも粗鋼の減産規模は90万トンに達する。第2・四半期決算時に停電・台風・倉敷トラブルの影響を踏まえて粗鋼生産計画を年度初めの2900万トンから2800万トンに引き下げていたが、追加の計画修正が不可避の情勢だ。