北九州市に“100億円のお宝”があるのをご存じだろうか。市立美術館(同市戸畑区)所蔵のジャンミシェル・バスキア作「消防士」。バスキアの作品は近年価格が上昇しており、同館が35年前に375万円で購入したこの油彩画は、今や「オークションに出せば100億円を超える」との専門家の声もある。同館の審美眼が光った結果だが、購入の経緯には、予算に限りがある公立の美術館ならではの工夫があった。 バスキアは米国人で、1981年デビュー。ポップカルチャーの要素を取り込んだ即興的作風で知られる。88年に27歳で不慮の死を遂げたこともあり、カリスマ的な人気を誇る。2年前、ネット衣料品通販大手「ZOZO(ゾゾ)」の前沢友作社長(当時)が、無題の作品を1億1050万ドルで落札し、話題を集めた。 「消防士」は83年作で、縦164・8センチ、横230センチ。バスキアと交際していた女性のけんかを火消し役の消防士が止めに来て
テレビ、新聞、SNS。 最近、いろんなところで、このことばを見聞きすると思いませんか? 「表現の自由」 話題になったきっかけは、すっかり有名になった「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」。 慰安婦問題を象徴する少女像などの展示をめぐって、激しい議論が繰り広げられました。 「表現の自由って、何?」 「なんで、そんなに大切なの?」 最近、そんな難しい問いに向き合った青年がいました。 これまで、表現の自由の大切さなんて考えたこともなかった、18歳の大学1年生。 自分なりの答えを、見つけたみたいです。(岡山放送局記者 周英煥)
あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」の展示中止が突然発表された8月3日から2カ月以上が過ぎた。通常の事件や騒動ならば、とっくに沈静化して人々の記憶も薄くなり始めている時機のはずだ。でも事態は今も動き続けている。 再開するも補助金は不交付 9月30日、あいちトリエンナーレ実行委員会と「表現の不自由展・その後」実行委が展示再開で合意したことが報道された。実際に再開したのは10月8日だから閉幕まで1週間。決して充分な期間ではないけれど、展示が再び実現した。 ただし手放しでは喜べない。この発表の4日前である9月26日、就任したばかりの萩生田光一文部科学相が、「申請のあった内容通りの展示会が実現できていない」として補助金約7800万円全額を交付しないとする方針を表明している。 確かに展示企画のひとつとして予定されていた「表現の不自由展・その後」は、始まってから3日目に中止となり、内
「平和の少女像」制作者キム夫妻インタビュー 日本追及にとどまらぬ制作意図 元慰安婦に偏見、韓国の反省も 金曙炅 キム・ソギョン/金運成 キム・ウンソン 彫刻家 開幕から3日で中止され、10月8日に再開した「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」(14日閉幕)。慰安婦を題材にし、電凸(電話による攻撃)や妨害行為の標的になった「平和の少女像」の制作者で韓国の彫刻家、金運成(キム・ウンソン)さん、金曙炅(キム・ソギョン)さん夫妻に本誌編集部がインタビューした。インタビューは展示再開日が決まる直前の同5日、名古屋市で行った。通訳は「不自由展」実行委員会メンバーで編集者の岡本有佳さん。 ――まず、今回の「表現の不自由展・その後」が中止され、再開することで和解したことへの思いを、表現の自由の観点を含めて聞かせてください。 キム・ソギョンさん あいちトリエンナーレは、私たちの作
雑誌『中央公論』に作家深沢七郎の『風流夢譚』が掲載されたことに抗議し、雑誌の廃刊と会社の解散を求めた「赤色革命から国民を守る国民大会」の1961年1月31日付けの決議書。2月1日に嶋中鵬二社長宅が右翼少年に襲われ、お手伝いさんら二人が殺傷された=1961年2月撮影 はじめに 「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」をめぐる一連の騒動(以下「表現の不自由展」騒動)が、約60年前の「風流夢譚(むたん)」事件を彷彿とさせるという声が、一部のネット・ユーザーの間から上がっています。 「風流夢譚」事件について触れておきましょう。総合誌『中央公論』は1960年12月号に、昭和天皇をはじめとする皇族の処刑場面を描いた深沢七郎の小説「風流夢譚」を掲載しました。これに対して、右翼団体は皇室に対する侮辱ととらえて、繰り返し中央公論社に乗り込んでは威嚇を行いました。そして61年2月になると、大
あいちトリエンナーレで話題になった、あの「昭和天皇の写真を燃やす作品」が広島県尾道市の百島(ももしま)で展示されているらしい――。10月上旬、そんな情報がネットを駆け巡った。 ある者は、これに「天皇ヘイト」「プロパガンダ」といきり立ち、さっそく広島県庁や尾道市役所などに電凸を敢行。別の者は、この動きに「愛知、伊勢、川崎、ウィーンに並ぶ危機」と警鐘を乱打。瀬戸内海の離島は、にわかに「表現の自由」をめぐる“主戦場”のひとつとなった。 そんなさなかの11月17日、同作の作家である大浦信行が参加するトークイベントが百島で開かれた。右翼が大挙上陸して抗議するとの情報も飛び交ったその日、いったい何が起こったのか。
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9月21日、名古屋市で開かれた「表現の自由に関する国内フォーラム」。東京から参加した男性は終了後、津田大介芸術監督らに詰め寄った。「あれは皇室を侮辱し、おとしめる作品だ!」昭和天皇の肖像を題材にした映像作品に対する抗議だった。鑑賞者を不快にさせたり、心を傷つけたりする作品は撤去すべきだ――。こうした声に対し「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」は9月25日にとりまとめた中間報告で「表現は人
「作品の内容は関係ない。一度、美術館が展示すると決めたものが、展示できなくなったことが問題なのだ」。8月中旬、あいちトリエンナーレの出展作家らが開いた公開討論会で、キューバ出身の美術家タニア・ブルゲラは鋭く言い放った。「表現の不自由展・その後」の中止に対し、海外作家らは再開を求める抗議文を起草し、展示ボイコットで自身の態度を表明するなど、動きは早かった。一方、国内作家は困惑が先行した。小泉明
10月14日に閉幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」。脅迫による中止と再開を経た企画展「表現の不自由展・その後」は、芸術祭の運営や文化行政に課題を突きつけた。浮き彫りとなった問題を検証する。前代未聞の騒動となった企画展は、4年前に東京・練馬のギャラリーで開催された「表現の不自由展」の後継企画だった。従軍慰安婦を象徴した少女像や、昭和天皇の肖像を用いたコラージュ作品を燃やす映像に批判
10月14日に閉幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」。脅迫による中止と再開を経た企画展「表現の不自由展・その後」は、芸術祭の運営や文化行政に課題を突きつけた。浮き彫りとなった問題を検証する。◇ネット上の批判 想定超えた拡散前代未聞の騒動となった企画展は、4年前に東京・練馬のギャラリーで開催された「表現の不自由展」の後継企画だった。従軍慰安婦を象徴した少女像や、昭和天皇の肖像を
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対する文化庁の補助金不交付決定を巡っては、文化庁の事業に携わる三人の委員が相次いで辞任し、抗議の意思を表明した。このうち、日本の現代アートの国際評価向上を目指す「文化庁アートプラットフォーム事業」を運営する「日本現代アート委員会」副座長だった林道郎・上智大教授(美術史)に、不交付の国際的な影響などを聞いた。 (聞き手・望月衣塑子) 文化庁は「手続き上の不備」が理由だというが、その説明は極めて曖昧で、誰がどのように不交付を判断したかを示す議事録さえない。不交付決定が報じられた九月二十六日、複数の文化庁職員に問い合わせたが、彼らも理由や決定を把握していなかった。政治的な意向が強く働いたと感じる。せめて第三者である有識者に議論させた上で決めるべきで、極めて異常だ。
こんにちは、広島市議会議員(安佐南区)のむくぎ太一(椋木太一)です。 2020年9~11月に広島県東部(福山市、尾道市、三原市)で開催予定の現代アート展「ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGO」(以下、「ひろトリ」)が、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(以下、「あいトリ」)の「表現の不自由展」のように、公金による反日プロパガンダに利用される恐れがあると、10月9日にアゴラで問題提起をさせていただきました。 (参照:『愛知の次は広島で来秋トリエンナーレ…公金投入に待った!』)(http://agora-web.jp/archives/2041999.html) プレイベント会場の百島であの人に遭遇 この記事の掲載以降、多くの賛同のご意見、ご提案等をいただいてきました。地元の広島県民のみならず、全国各地の方々がこの問題に非常に高い関心、危機感を抱いているのだと実感しています
「あいちトリエンナーレ2019」の会場で警察官の足元に液体をまいたとして、公務執行妨害の罪に問われた愛知県半田市の会社員室伏良平被告(29)の初公判が19日、名古屋地裁で開かれ、室伏被告は「警察官の足元ではなく床に水をまいただけで、公務執行妨害ではない」と起訴内容を否認した。 検察側冒頭陳述によると、被告は「清掃行為」と称し、主催者に断りなく、知人の男性と会場内に水をまいた。施設職員の110番で駆け付けた警察官に対し、「職務質問を遮ろうと考え、バケツの中の液体をガソリンだと言って足元にまいた」と指摘した。 起訴内容によると、室伏被告は8月7日、あいちトリエンナーレの会場になっていた名古屋市東区の愛知芸術文化センターで、バケツに入った液体を警察官の足元にまき、職務を妨害したとされる。 室伏被告は、同罪で名古屋簡裁から罰金20万円の略式命令を受けたが、命令の内容を不服として正式裁判を請求した。
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