全米自動車労組(UAW)のボブ・キング副委員長ら9人が9日、愛知県豊田市のトヨタ自動車本社を訪れ、トヨタと米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場「NUMMI(ヌーミー)」(カリフォルニア州)の閉鎖撤回を求めた。 ヌーミーは4月1日で1984年以来の生産を終える予定だが、地元では反発が出ている。キング副委員長はトヨタの新美篤志副社長(北米担当)と約1時間会談。環境基準の厳しいカリフォルニアに拠点を残すことの価値などを訴えた。 これに対し、新美副社長は「合弁相手のGMが撤退を決め、トヨタ単独ではビジネスとして成り立つ見込みがない」と、閉鎖方針に変わりがないことを説明した。 キング副委員長は面会後、記者団に「(大規模リコール問題を起こした)トヨタはこの数カ月で状況が変わり、信頼が揺らいでいる。ヌーミー継続が米国での信頼回復にもつながる」と強調した。【米川直己】