行き過ぎたフェミニズムなどもはや存在しない。それはもう終わった問題なのだ、というような意見をちらっと目にした。何を今さらそんなことを問題にするのか、というわけだ。しかし、これはずいぶんとおめでたい無防備な考え方だなと思う。そう考える人は、いい人ではあるのだろうが、手練手管に長けた反動側の攻撃にはひとたまりもなく潰されてしまうだろう。 実際にはフェミニズムというのは、その論理構造からいって、常に行き過ぎる可能性をはらんでいるのである。だから、行き過ぎに注意していないと、うっかり失敗することが必ずある。反動側の人間はその失敗を見逃さず、いつでもフェミニズムを叩けるというチャンスをうかがっているだろうと思う。誤謬に対して鈍感なフェミニズムは、リベラルの信用も落としてしまうことになるだろう。 面白いことに、内田樹さんが『フェミニズムの害毒』の書評を書いているのだがそこにこのような記述がある。 「だ