新潮が「中国研究の第一人者」*1と絶賛している遠藤誉氏ですが、その近著「毛沢東 日本軍と共謀した男」を立ち読みしたところ読む価値なしと判断して購入しませんでした*2。 理由の一つは、張作霖爆殺事件について日本軍の仕業と断定せず「コミンテルンの陰謀説も根強い」と記載していた点です。 まともに資料にあたっていれば、コミンテルン陰謀説など考慮するに値しない都市伝説であることがわかりますから、日本軍の仕業と断定しない時点で遠藤氏が「中国研究の第一人者」などでないことは明白です。 もう一つは、西安事件の直前の中共が国府によって殲滅される寸前だったという誤認です。まるで西安事件が無ければ中共は程なく滅びていたかのように遠藤氏は述べていますが、これは、“中共は陰謀だけで政権をとった”というストーリーに持っていくための誇張でしかありません。 実際には、西安事件直前には対中共最前線の第17路軍や東北軍の間で