「空気を読めない」が「KY」という略語になって流行語大賞にノミネートされたのは、2007年のことだった。あれから10年余り。「空気」は「忖度」と言葉を換えて、さらに「同調圧力」として根を張ったようにも見える。そんななか、劇団「二兎社」による舞台劇『ザ・空気 ver.2』がこの2018年の夏、話題になった。自らの疑惑で苦境に陥った首相への助け舟となる謎のペーパーをめぐる記者たちの騒動を描いた作品で、東京のみならず、地方公演も連日満員だった。自分たちの周囲にも漂う「空気」への関心の高さを浮き彫りにしたのでは、と劇団側は言う。「空気」とは、いったいなんだろう。雲をつかむような答えを求めて劇団関係者や研究者らを訪ね歩いた。(文・木野龍逸、写真・江平龍宣/Yahoo!ニュース 特集編集部)