韓国経済の先行きに懸念が強まっている。株価は下落基調で、経済成長も低空飛行が続く。アベノミクスによる円安ウォン高で、日本と競合する輸出産業が打撃を受けるなか、最大の貿易相手である中国経済の失速も重荷になる。一方、為替がウォン安に転じた場合、今度は資金流出による通貨不安と背中合わせだ。国内の消費も個人の過剰債務であてにできないという内憂外患を抱え、危機が迫りつつある。 韓国の株式市場で21日午前、代表的な指数である韓国総合株価指数が前日に続き大幅安に見舞われ、今年の安値を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、量的緩和策の縮小に言及したことを受け、韓国など新興国に流入していた資金が引き揚げられるとの観測が広がった。韓国にとって輸出、輸入ともに最大の貿易相手である中国の製造業景況指数(PMI)が予想を下回ったことも売りに拍車をかけた。 ただ、韓国株は6月に入った段階から急落