14歳の天才に挑み、敗れた棋士たちの心のうちは――藤井聡太四段に敗れた彼らへのインタビューである。(上)で見てわかるように、対戦相手たちはいずれも、藤井四段に感服、いや、既に“お手上げ”のようにも見える。 しかし、彼らとて、幼少期から“俊英”と持て囃され、狭き門をくぐってプロとなった身だ。突如現れた「中学生」に対し、どのような視線を向けているのか。 20勝目と28勝目を献上した澤田真吾六段(25)のように、 「相手もプロです。中学生に負けたから悔しいとかそういう気持ちはありません。彼とは5年くらい前に指したことがありますが、その時からプロになれる子、強い子だと思っていた。記録を作ってもおかしいとは思いません」 と“冷静”な棋士もいる一方で、 「私は“止めてやろう”と思って対局に臨みました」 と言うのは、22戦目の阪口悟五段(38)。 「むしろ楽しみにしていました。棋士ってみん