→紀伊國屋書店で購入 沖縄に花開いたコンクリート文化 はじめて沖縄に行ったときに驚いたのは、目にする住宅のひどく武骨なことだった。コンクリートの塊と呼びたくなるような、飾り気のない四角い建物が多かった。 壁が湿気で黒ずんでいたり、どぎつい色のペンキで塗られていたりする。看板代わりに壁に直に店名を書いている建物も目を引いた。沖縄タイムスの古いビルもそうで、筆にどっぷりとペンキを含ませて書いたぶっとい文字に迫力があった。 強い日差しを遮るルーバーとして、透かし模様のあるコンクリートブロックが使われているのも物珍しかった。花ブロックと呼ばれ、ブロック塀が一斉を風靡した時期には本土でも飾りに使われたが、いまはあまり見かけない。沖縄の花ブロックは種類が多く、新築の家にも用いられて現役だった。 よく見ると墓もコンクリート製が多かった。家の形をした破風墓、蛸のあたまのような形の亀甲墓……。どれもコンクリ
酒井道夫・沢良子 編 / 武蔵野美術大学出版局 / 135mm x 215mm / 160P / ソフトカバー / 本体価格1800円 建築家でありながら我が国では、桂離宮や伊勢神宮など「日本の美」の再発見者としてよく知られるブルーノ・タウト。ナチ政権下のドイツを亡命し、アメリカへの足がかりとして立ち寄った日本で彼は3年半もの日々を余儀なくされました。それは目的地への途上の不思議な時間であり、旅にも似ています。その、長くゆっくりした旅のような日本滞在中にもタウトは小型カメラを帯同しながら国内中を旅し、そこらを撮り歩きました。数十年のときを経て再発見された、ちょっとピンぼけな写真の数々は、タウトの評論とはひと味違った意外にも庶民の生活を興味の向くままに撮ったものでした。生前の渋谷のハチ公も、横浜のおでん屋もみんな旅人の好奇心により「発見」されているのです。この時代を知らない私たちの眼は、旅人
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