何度も繰り返し書いてきたが、今年は仕事のため、日本の戦争映画ばかり観てきた。 PHP文庫『名将ファイル 秋山好古・真之』(isbn:4569664504)はその成果の「一部」が反映されたものだが、メインの成果の方があと一週間余り後に発刊になります。お待ちください。 要するに、ある企画で「大東亜戦争シネマガイド」ともいうべき項目を担当したわけだが、字数枠の関係で、惜しくも取り上げそびれた作品は少なくない。 その一本が、渥美清主演の『拝啓天皇陛下様』(1963年/松竹)である。 実はこの作品、執筆作業中、ビデオが出てないか探したが見つからず、皮肉にも、脱稿後に図書館のビデオライブラリーで発見して鑑賞したわけだが、実に惜しい! これは、可能であればぜひ取り上げるべきだったかも知れぬ。 本作品は、題名通り、現代の目では、うっかり軍国主義礼賛一辺倒かと思われかねぬ内容である。渥美清演じる主人公の山田