→紀伊國屋書店で購入 「帯はむずかしい」 数年前、ローレンス・ノーフォークの『ジョン・ランプリエールの辞書』〈上〉・〈下〉の邦訳が出たとき、帯のキャッチコピーは、「エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007!」というものだった。昨年、長年待ち望まれていたアラスター・グレイの『ラナーク』が出たときのキャッチコピーは「ダンテ+カフカ+ジョイス+オーウェル+ブレイク+キャロル+α+….」だ。2作は出版社がちがうが、装丁者は同じ中島かおるさん。このコピーの類似が偶然とは思わない。作家名をだいぶ水増ししたうえ、αを付け加え、それでも足りなくて「…」まで入れているのが可笑しい。 あまり知られぬ作品を紹介するとき、名作になぞらえるというのは、編集者がよくやる手である。フィリピン系英語作家テス・ウリザ・ホルスの『象がおどるとき』〈上〉・〈下〉は、「アジア版『百年の孤独』」というコピーだった。日本軍がフィリピン
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