女は女や少女にたいして妄想を持たずつねにリアルの側に立つのか。 以下は千野帽子氏の「文藝ガーリッシュ・お嬢さんの第二の本箱」(中日新聞夕刊で連載中)からの引用です。「男はキタナイ・少女はキレイ」みたいな思い入れのもとに百合物を漁っている女性には、かなり耳が痛い内容なんじゃないかと思います。 男が女や少女にたいして幻想・妄想を持っているとはよく言われるところですし、厳然たる事実でもありますが、じゃあ女は女や少女にたいして妄想を持たずつねにリアルの側に立つのか。男がハードボイルド小説や池波正太郎やライトノベルで幻想の「男・少年」像を持つように、少女漫画的なもの(といってもいろいろあるけれど)を媒介とした女読者の「少女」像だって、「内なる自己像」という自己愛的な妄想です。(引用者中略)女性読者が自分の実体験を根拠に、川端康成ら男性作家の女人像を「所詮男のファンタジー」と一蹴するのは簡単です。けれ