【前編】サイバーテロはいつ起こってもおかしくない 警察庁 情報通信局情報技術解析課 サイバーテロ対策技術室長 中嶋 牧人氏 ボットネット(bot)やスピア攻撃はセキュリティの脅威としてよく挙げられるが,国内では「被害に遭った」「実際に検挙された」という話は聞かない。警察庁には国内のインターネットの治安情勢を監視する専門部隊が設けられている。ボットの感染や被害状況,現状の動向と今後の対策などを,その専門部隊のトップである中嶋サイバーテロ対策技術室長に聞いた。 まず初めに,サイバーテロ対策技術室の役割と,どのような電子的攻撃をサイバーテロと呼ぶのかを知りたい。 サイバーテロ対策技術室(通称,サイバーフォースセンター)は,サイバーテロの予兆の把握や事案発生時の緊急対処等を担当しており,事件を担当する捜査部門や警備部門を技術的な面でサポートするのが主な仕事だ。2001年4月に情報通信局技術対策課(