御存じのとおり,「敷居」は家の門や玄関,部屋の出入口などの引き戸や障子,ふすまなどを開け閉めするために床に設置される溝のついた横木のこと。ある場所に行きにくい,入りにくい気持ちを「敷居が高い」という言葉で表現することがありますが,「国語に関する世論調査」の結果からは,この慣用句の本来の使い方が忘れられつつある状況が分かります。 問1 「あのレストランは高級すぎて敷居が高いよ。」と言ったら,その使い方はちょっとおかしいと指摘されました。「敷居が高い」の本来の使い方を教えてください。 答 「敷居が高い」は,もともと,不義理や面目の立たないことがあって,その人の家に行きにくい,という意味で使われていました。 明治期以降の文学作品を調べると,「敷居が高い」は,不義理なことや面目の立たないことがあって,その人の家に行きにくい,という意味で用いられることが多かったようです。典型的には,次のような使われ