メニュー表示と異なる食材を使っていた問題の発端となった阪急阪神ホテルズは社長が辞任にまで追い込まれ、「阪急」という関西屈指の名門ブランドに大きな傷が刻まれた。トップ交代で危機打開を図る今もなお、ブランド全体への影響は計り知れない。社長が当初「誤表示」と主張した食材偽装問題は、「阪急帝国」と呼ばれる一大企業グループの根底を崩す「蟻の一穴」となる可能性すらはらんでいる。「上品」「高級」ブランドが… 「ブランド全体の信頼失墜を招いた」。阪急阪神ホテルズの社長だった出崎弘氏(11月1日付で辞任)が悔やんだように、食材偽装問題は「阪急」ブランドをおとしめるには十分だった。 替わって社長に就任したのは、同社の前身の一つ、旧第一ホテル出身の藤本和秀氏。2日の就任会見は、「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」と、深々と頭を下げての謝罪から始まった。 阪急電鉄系列の車体は、独特の小豆色の「阪急マ