あれも聞きたい、これも聞きたいと前のめりで始まったインタビューだった。しかしムツゴロウさんは、一定のスピードで、リズムで、正直、自分勝手に話をされているとその時は思った。しかしテキストを見て、愕然とする。寸分の狂いない、見事なまでの構成がそこにあった。私たちの質問に、全体で答えてくれていたのだ。心を読む、流れを読む、まさに稀代のギャンブラー。そんな、持って生まれた観察眼と好奇心、そして根底にある生き物たちへの深い愛情。平成最後も終わりに近づいている今、私たちは知る。畑正憲はムツゴロウさんで、ムツゴロウさんは畑正憲、なのだと。 競馬に麻雀。ギャンブルで負けたことはありませんよ。20歳の頃の僕ですか。そうですね、型破りな子だったでしょうね。自分探しの旅をしてましてね、そこでギャンブルに出会ったんですね。勤めてる間も僕はギャンブルに行ってたんですよ。ギャンブルで給料の4倍か5倍いつも稼いでて。そ