ほっとけないよお、と頭の中の楠瀬誠志郎さんが突然歌いはじめたので、仕事中だろ!ほっといてくれ!と注意してはみたものの、だんだん放っておけなくなって、居ても立ってもいられなくなって、煮ても焼いても食えなくなって、やがて彼のために新しい名前を考えたいという強い気持ちが生まれました。新加勢大周とは名乗れない彼が戻ってきた日のために。そういうことになりました。でも結局、僕にはどうすることもできなかった。力不足だった。新新加勢大周やら、加勢大周改やら、崖の上の加勢大周やら、またぞろつまらないものしか降りてきません。残念だけどおめえはもういいや。そういうことになりました。でも念のため、もう復帰なんてしない?どんなときも?冬がはじまるよ?と頭の中にいる別の誰かに確認を取ろうとしましたが、彼は無言でした。クスリともしませんでした。どおなっちゃってんだよ、と僕はつぶやきました。 やさしく弾ける 槇原敬之 ピ