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ブックマーク / ichinics.hatenadiary.com (17)

  • 「お嬢さん」 - イチニクス遊覧日記

    監督:パク・チャヌク 監督が原作「茨の城」(サラ・ウォーターズ)を映画化するにあたって、 「もちろん原作の物語も大好きだったけれど、私がいち読者として、いち視聴者として、こういう物語がみたいな、こういう結末になったらいいのに、というストーリーに変更したのです」 http://realsound.jp/movie/2017/03/post-4429.html と語っている……という話題を見て、それってモチベーションが二次創作なのでは……と気になり(もちろん監督の作品が好きで期待していたのもありますが)見に行ってきました。 とってもよかった。 【以下内容に触れています】 私は原作未読なのですが、3部構成のうちの1部をみて「こうなって欲しい」と思った展開を、一度は裏切り、しかし最終的に「これが見たかったんだ」と思わせてくれる作品でした。 原作の舞台がロンドンであるのに対し、「お嬢さん」の舞台は韓

    「お嬢さん」 - イチニクス遊覧日記
    zenibuta
    zenibuta 2017/03/25
  •  「ローラーガールズ・ダイアリー」 - イチニクス遊覧日記

    監督:ドリュー・バリモア 楽しかったー! 映画館を出た後、開くのも音楽聴くのもちょっともったいないくらいの余韻を引きずったまま、この映画のことはきっとこれからも、何度も思い出すだろうって思った。少し早足になる。楽しくて笑ってばっかりだったのに、泣きすぎて頭がガンガンしてるのもなんだか可笑しかった。 物語は、田舎町に暮らす高校生ブリスが、ローラーゲームに出会うとこからはじまる。この、ローラーゲームをやってる女の人たちがとにかく皆タフで魅力的なのが、この映画の1番の見所だと思う。 それぞれ事情はありつつ、おしゃれをするのも、おしゃべりも、ゲームで勝ちたいのもまずは自分のため。それを、監督であるドリュー・バリモアを筆頭に、キャストの女性全員で体現しているような映画だった。ミニスカート最高! とか思う。とにかく、登場人物たちの笑顔の雄弁さといったらなくて(↑の画像の笑顔とかね!)、これはもうキャ

     「ローラーガールズ・ダイアリー」 - イチニクス遊覧日記
  •  「ラブリーボーン」 - イチニクス遊覧日記

    監督:ピーター・ジャクソン そもそも扱うのが難しいテーマの作品だと思うのですが、意外なほどためらいなく描かれているなというのが第一印象です。 主人公の女の子が殺されてしまうところから始まるお話で、残された家族が彼女を殺した犯人を突き止めるというミステリーパートと、「あの世とこの世の間」のようなところに留まる主人公の心象風景のようなパートが交互に描かれるんですが、正直なところ、私はそのどちらにも入り込めませんでした。 たぶん監督の狙いは、見たことのない世界を描きたいというところにあるのだと思います。でも、その監督のこだわりと家族の物語の間にある温度差が、自分はどうしても気になってしまった。 半月ほど前に見てから、ずっともやもやしてたんだけど、結局自分の好みの問題というか、むいてなかったなという感じです。 以下ネタばれ。 主人公とカメラという印象的な組み合わせが物語にあまり生かされてないのがも

     「ラブリーボーン」 - イチニクス遊覧日記
  •  「第9地区」 - イチニクス遊覧日記

    監督:ニール・プロムカンプ いろんな感想見て面白そうだなと気になっていたのが、他の映画にふられた時にちょうど空いてたので見てきました。 ピーター・ジャクソンがプロデュースと聞いていたので、ちょっと警戒しつつ見た(「ラブリー・ボーン」*1で警戒心が芽生えた)のがよかった気がします。 → 28年前*2、南アフリカ上空にUFOが飛来して以来、「第9地区」には難民として異星人が暮らしている、という設定のSF映画。 異星人は作品中で“エビ”と呼ばれてるんですが、物語はこの異星人たちを別地区へ移住させるプロジェクトのリーダーに選ばれた主人公をドキュメンタリー風に追いかける形で描かれています。「まさか彼があんなことに…」とか言ってる身の回りの人の証言からはじまって、「あんなこと」になってしまったあとはもうすっかりアクション映画でした。 で、このアクション部分がとても楽しかった。エビの銃器つよい。あと上空

     「第9地区」 - イチニクス遊覧日記
  •  文体って何だ - イチニクス遊覧日記

    文章のリズム、とか文体のことを考えるとき、よく思い出すのは、以前、古川日出男さんがトークショーで「横書きで書きながら、別のブラウザで縦書きに変換しつつ書く」と話していたことだ。 そこまでこだわるということは、きっと明確に目指しているリズムというものがあるのだろうけれど、その目指すリズム、というのはどの程度意識的に作られるものなのだろう。 例えば歌を歌う人の個性は、声だけでなく、癖にもあると思う。物語が曲だとしたら、文体というのは、声に近いのか、それとも癖に近いのだろうか。 → 身近なもので考えてみると、日記の文というのは声に近いのかもなーと思うことがある。 自分の文章を読み返していると、口癖が多くて気になる。でもそれを変えるのが難しいのは、日記以外では使える書き言葉が、日記では使いづらいからなのかなと思う。例えば「〜だけど」というときに、「〜だが」と書きにくいのは、自分でそれを口に出すとこ

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    zenibuta
    zenibuta 2010/03/30
  •  「(500)日のサマー」 - イチニクス遊覧日記

    監督:マーク・ウェブ 「スミス聴いてるのね、私もスミス好き!」みたいな出会いのシーンを予告で見て、これは…と思い見に行ってきました。 よかった、と、ひと言で言ってしまうのはためらわれるくらい、とても身につまされる物語でした。いろいろあるけど、だからといって暗くなるわけではなく、夢物語というわけでもない、バランスのとれた映画だったと思います。 【内容にちょっと触れています】 映画では、主人公が、サマーという名前の女の子に恋をした500日間が、時系列でなく、500日を行ったり来たりしながら描かれます。だから、花畑を背負っているような顔の直後にこの世の終わりのような顔が現れたりもして、場内には時折笑い声も起こっていた。そしてだんだんと、500日の全体像が見えてくる、という構成になっています。 → 客観的に見て、トムのサマーへの恋は、完全に負け戦というか、ぬののふくを装備したままバラモスに挑んでい

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  •  アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち - イチニクス遊覧日記

    監督:サーシャ・ガバシ アンヴィルというバンドを追ったドキュメンタリー映画。興味もあったし、あちこちで絶賛されているのを読んで気になって見に行ってきました。でもなんか、予想していた以上にいろんなことを考えこんでしまいちょっと疲れた。なので、あんまり感想もまとまってないんだけど、一応忘れないうちに。 → ドキュメンタリー映画の面白いところといえば、まず監督と被写体の間にある空気、緊張感だと思うのですが、この映画の場合、カメラとバンドとの間に緊張感のようなものはほとんど感じられませんでした。見終わった後、監督は80年代にアンヴィルのローディーとして、3回ツアーに参加した経歴を持つ人だと知り、これはもしかしたら身内のような間柄だからなのなのかもな、と思った。 映画は「SUPER ROCK '84 IN JAPAN」というライブイベントから始まる。私でも知ってるような、今も活躍するバンドが何組も登

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  •  「The Road」/コーマック・マッカーシー - イチニクス遊覧日記

    ザ・ロード 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/06/17メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 192回この商品を含むブログ (169件) を見るコーマック・マッカーシーの小説は、映画をきっかけに「No country for old men(血と暴力の国)」(id:ichinics:20080507:p1)を読んだことがあるだけなのだけど、これを読んで、やっぱり翻訳されてるものは全て読んでみたいと思った。 物語の舞台は、何らかの理由で取り返しのつかない状態となってしまった終末の世界で、主人公となる父子はやがて来る冬に備えて南へと向かっている。生きている者のほとんどいない世界でいつ飢えるかもわからず、たまに見かける人影はすべて「敵」である可能性を持つ。そのような状況の中で、父は息子を守ることを第一に考えて行動する。そして、善

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  • SUMMER SONIC 2009/8/9 - イチニクス遊覧日記

    サマソニ10周年ということで今年は3日間開催。3日めだけ行ってきました。 第1回のチラシ初めて見たときのこととかついこないだみたいで、どんどん時間の感覚があいまいになっていくなーと思う。当時働いてた店でカウンター横にフジ用とサマソニ用のコーナー作ったなーとか、その流れで COLDPLAY と Sigur Ros 知ったんだったなとか、サマソニ開場待ちの間にべた、友だちのおばあちゃんお手製のおにぎりおいしかったなとか、会場内で昔のポスター見てやっとそんな感慨にふけったりもしたんだけど、そういえば10周年らしいコーナーってあれしかなかったような気がしてもったいない。 → それ以上にもったいないといえば今回のタイムテーブルですよ…! お目当てがほとんどかぶっているっていう残念タイムテーブル。ほんと、あんなにたくさんステージいらないから、移動距離含めても見たいのをちゃんと見れるようにして欲しかっ

    SUMMER SONIC 2009/8/9 - イチニクス遊覧日記
  •  「モテキ」第1巻/久保ミツロウ - イチニクス遊覧日記

    モテキ (1) (イブニングKC) 作者: 久保ミツロウ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/03/23メディア: コミック購入: 33人 クリック: 1,075回この商品を含むブログ (473件) を見るあちこちで噂を聞いていたので買って読んで見ました。が、予想以上にHPを削られてしまって、読みすすめるのがだいぶしんどかったような気がします。 なんかモテキと一緒に草系男子?という言葉を見るのですが、草…というとどうも象とかキリンとかそういうわりと動きがゆっくりなイメージがあるので(それ草動物だけど)この漫画の主人公とはちょっと違うような気もしました。わりと走ったりしてるし。 → 「モテキ」は、これまで「たぶん俺はこの大都会東京で誰からも愛されず/できるだけ夢なんか見ないで期待なんかしないで生きていくんだ」と思っていた男の子に、ある日突然「モテ期」がくるというお話。モテ期とい

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  •  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 - イチニクス遊覧日記

    すばらしかったです。思い出すだけでにやにやしてしまう自分に耐えられないほど面白かった。見てる間中ずっと集中していたせいで、見終わったあとにはちょっとぐったりしてしまうくらい楽しかった。 → なぜエヴァンゲリオンだったのかは正直わからないというか、これがいけるならアニメを見る人はもっと増えててもおかしくないんじゃないかなーとも思うんだけど、ともかくエヴァンゲリオンはたぶんもっとも新しい、普段からアニメを見る人の枠をこえて共通認識になったアニメだと思う。 序ももちろんすばらしかったけど、あれがリマスターだとしたら、破はもうまったくの新作で、これほど多くの人に思い入れられている作品にここまで手を入れるのは、きっとスタッフにとっても勇気のいることだったのではないかと思う。 もちろん私にとっても思い入れのある作品ではあったのだけど、映画がはじまってすぐに、こんな形でもう一度、新しい作品として見ること

     ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 - イチニクス遊覧日記
  • ノーカントリー - イチニクス遊覧日記

    コーエン兄弟の新作。 『ファーゴ』を映画館で見た時、ずっしりと重いものを抱えてしまったような気分で映画館を後にしたことをよく覚えているけれど、あれからずいぶん経ったせいか、その感覚の細かいところはずいぶん薄れてしまっていた。しかし、この『ノーカントリー』を見て、真っ先に思い出したのはあのときの「重さ」で、それを言葉にするならば「どうすればいいのかわからない」だと思う。 まず、この映画では「物語」を追ううえでの暗黙の了解、のようなものをあえて裏切るような展開がある。でもそういうことは現実では起こりうるし、だからこそ「事実は小説より奇なり」と言われるのだろう。後半になるにつれ、状況描写は省かれていくようになり、結果どうなったのか/なぜそのような行動をとったのか、などの説明はたぶん意図的に省かれている。思わず「そういうものだ」という台詞が浮かんだりもするけれど、それでもつい背後を確認したくなるよ

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  • めでたい香港 - イチニクス遊覧日記

    19歳のとき、香港へ旅行に行った。友達と2人で、10日くらいぶらぶらして、船でマカオにも行って、すごく楽しかった。 泊まるとこも決めずに行ったのだけど、地下鉄の駅あがったとこで声かけてきたゲストハウスのおばちゃんが、うちの母さんに似てて、だから迷うこともなくそこ泊まることにした。おばちゃんの宿は、安宿の集合ビル、チョンキンマンションの中にあった。 土産物屋やキオスクのような売店がひしめく薄暗いビルの入り口は、とにかくいろんな人種の人でごったがえしていて、おばちゃんがいなければ足を踏み入れることすらためらったかもしれない。しかし、入り口近くにあるエレベーターに乗って、おばちゃんの宿につくと、中は意外なほど明るかった。しかも、私たちが案内されたのは、花柄のベットカバーがかわいい子供部屋のようなところで、私たちはすぐにそこが気に入った。 それからはひたすら町を歩いて、ひたすらべ、たくさんの人と

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  • はてなダイアリーアワード2007 - イチニクス遊覧日記

    最近、アンテナのあちこちでアワードの文字を見かけるようになり、そういえば私があそこやあそこをよみはじめたきっかけはアワードだったなぁ、ということを考えたりしていました。今年もまた、人のアワードを、ああこれ面白かったなぁ、とか、私もこれ選ぶだろうなぁ、とか、楽しんで読んでいたのですが、そのうちに、でもあれも面白かったよなあ、とか、自分だったら…てことを考え出したら楽しくなってきたので、と、相変わらず前置きが長いのですが、そういうわけでやります「はてなダイアリーアワード2007」。 の、中の「2007年度に投稿されたエントリの中で、面白かったものを教えてください(上限5つ) 」だけ、上限を見なかったふりをしてやります。そんで、縛りがまったくないのも自由すぎるので、今年の自分がブックマークしたのだけにしました。(そして来年はもっとブックマークを活用していこう…と思いました)。いくつもエントリを選

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  •  向こう側のひとたちへ - イチニクス遊覧日記

    何度も同じこと書いてる気がするけど、何度でも書く。 好きなサイトやブログが、停止したり閉鎖したりするのは、やっぱりさみしい。身構えていてもいなくても、なんかこうみぞおちらへんにくるものがあります。 以前、ある人に「伝えるべきことは伝えられるうちに伝えるべき相手に伝えるべきだー、と思う」と言われて、そうだなぁって、それからはなるべく、そうしよう、そうしたいと思ってきた。でもそれは、読めなくなることのさびしさを減らすものではないから、やっぱり、さみしいはさみしい。 それはきっと、続いていたものが、終わるからなんだと思う。 特に何度かやりとりをさせてもらった相手の場合、「これに反応して書きたい!」とか「書いたの読んで欲しい!」という気持ちで書いたりしたものが、この日記にもぼこぼこ埋まっているわけです。私はそういうのがすごく嬉しかったし、楽しかった。 でも、今日もまたいつものようにメモ帳開いて、何

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  • ヱヴァ序とポップコーン - イチニクス遊覧日記

    そういえば、ちょっと前に、2回目のエヴァを見にいったんだった。2回見れば、もう少しいろいろ考えられるかななんて思っていたけれど、そんなこともなくて、やっぱ初号機かっけー、とか、ヤシマ作戦でシンジが這ってくとこは燃えるなーとか、レイの登場場面は白衣の人たちのはけ方とか含め妙に演劇っぽいなとか、「ちょっち…」とか、そんなことばかり考えていた。でも、最初見た時は、ミサトさんからリリスのこと聞いたシンジの反応が唐突に思えたのに、2回目では腑に落ちてよかった。疑問点も残ったけど、それは「破」以降への伏線なのだと思う。早く続きが見たいです。 ところで、2回目を見にいった日は休日だったこともあり、場内はほぼ満席だった。しばらくあいていた私の隣の席にも、予告編が始まる頃、両手にポップコーンとビールを持った人がやってきた。そして、あ、とその顔を見上げた瞬間、ポップコーンがジャーーーン、とぶちまけられ、私の膝

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  •  何かをものすごく好きになるということ - イチニクス遊覧日記

    昼ご飯にイングリッシュマフィンのトーストをべながら、テレビ東京の「土曜イベントアワー 2007自給自足物語 冬の大地に生きる夢の家族SP」という番組を少しだけ見た。タイトルは今検索して調べたんだけど、ずいぶんと恣意的なタイトルだなぁと思う。けど、私が見た部分、一人で自給自足している女性を紹介していた部分は、ナレーションにもずいぶん含みが多く、へきえきした。へきえきしたけれど、私はその女性のことをすてきだなぁと思ったので、その気持ちについて書いてみたいと思う。 → 私の友達に、農家の後を継いだ女の子がいる。すごくすてきな人で、誠実で頑固で、苦労ばかりしていて、それこそ「愛すべき娘たち」にでてくる爽子のような人だ。少し遠いところにすんでいるし、農業には休みというものがないので、なかなか会う時間がないのだけれど、でも何かあるたびに彼女のことを思い出して、がんばらなきゃなと思う。そんな人だ。 数

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