上信越自動車道の熊坂トンネル(長野県中野市)工事で“手抜き”工事が発覚しました。その実態を下請け業者轟組の元現場監督(46)が二十五日、本紙に証言しました。元現場監督は告発したことで自宅待機を命じられ退職にまで追い込まれました。トンネルマンの譲れぬ思いは―。 トンネル工事にとってトンネルの厚み=巻厚(まきあつ)は命です。だから正規の寸法(三百ミリ)よりマイナスは許されない。くるいがあればトンネルを壊し山をたたいて、広げて直すのが当たり前です。どこの現場でもやっていました。 山は生きもの。トンネルは余裕をみていても掘ると外圧で小さくなる。だから巻厚のマイナスは絶対にありえない。 二十五年間、トンネルマンとして、青森から沖縄まで二十数本のトンネルをつくってきました。こんないいかげんな工事は初めてです。 最大10センチ コンクリートは十メートルの作業区ごとに打ちます。その前の型枠段階で、巻厚があ