アーチ構造が高コストにつながるとされ、白紙撤回となった新国立競技場の建設計画。しかし、ザハ・ハディド氏の事務所などからなる設計チームは、アーチ以外の構造も提案していたという。 前計画の設計関係者が日刊スポーツの取材に、昨年末から今年初めまでに設計側は複数のコスト削減案をJSCに提示していたことを明かした。施工業者が見積もった総工費の最大額が約3300億円にまで膨れ上がったためだった。 昨年末にはキールアーチの構造変更を提示。単一構造から、より安価なトラス構造(骨組構造の一種)への変更案を示した。今年に入り、開閉式屋根や座席空調の取りやめ、地下施設の面積の大幅削減などを提案していた。これらの提案が採用されていれば、設計チームの試算では1800億円台まで抑えられる計算だったという。結果的にそれらは採用されず、7月7日までに総工費が2651億円まで膨れ上がった。 (ザハ氏新国立工費削減提案してい