米アラスカ州政府は6日までに、ホッキョクグマを絶滅危惧(きぐ)種に指定するとした米連邦政府の決定撤回を求める訴訟を、ワシントン連邦地裁に起こした。「資源開発や漁業、観光業に悪影響が及ぶ懸念がある」ことが理由。 この指定をめぐっては、環境保護団体も「地球温暖化への対処が欠け、保護策として不十分だ」として訴訟で撤回を求めており、連邦政府は開発派、保護派の双方から責められる事態になった。 米内務省は5月、ホッキョクグマが主食のアザラシを捕獲する際の足場になる海氷が地球温暖化の影響で縮小しているため、近い将来に絶滅の危機にさらされるとして、絶滅危惧種への指定を決めた。一方で、指定を根拠にした新たな温暖化対策は、発展途上国の取り組みの遅れなどを理由に、特に取らないとした。 アラスカ州は「ホッキョクグマの数は過去40年で倍増するなど、危機の予測は根拠が薄い」と主張している。(共同)