増え続ける児童虐待への対応を強化するため、捜査に必要な医学の専門知識や被害を受けた子どもから話を聞き取る手法などを全国の検事が学ぶ初めての研修会が、25日から東京で始まりました。 最高検察庁は去年、児童虐待などに専門に取り組む「刑事政策推進室」を新たに設置し、上冨敏伸室長が「児童虐待に厳正に対処できるよう必要な専門知識や技術を身に着けてほしい」とあいさつしました。 児童虐待の疑いで全国の警察が検挙した件数は去年、過去最多の1081件に上っていますが、虐待は自宅などの密室で行われるケースが多いため、立証が難しく、子どもへの虐待で逮捕された親が不起訴になったあとも虐待を繰り返し、子どもが死亡したケースもあるということです。 研修に参加する検事は、脳の損傷の状況から虐待か事故かを見分けるポイントや、被害を受けた子どもに負担をかけず正確に話を聞き取るための手法などを学ぶということです。研修は25日
障害者の成年後見人となった司法書士が、受給できるはずの年金の手続きを放置するなど職務を怠り、裁判で損害賠償を命じられるケースがあった。家庭裁判所が昨年、財産横領などで後見人を解任した数も255件にのぼり、後見人の不適切な対応が目立っている。 松江市の司法書士、伊藤崇さんは2014年2月、同市内の高齢者専用賃貸住宅に住む男性(62)の後見人になった。家裁への定期報告の遅れを複数回指摘され、裁判官の審問を2度受けた前任の司法書士が辞任したためだ。 伊藤さんが訪ねると、交通事故に遭い脳に障害が残る男性は、起きている時間の大半を介助用車いすに座って過ごしていた。食事はできず、胃ろうから栄養をとっていた。通帳を調べると、家賃や光熱費のほか実際は食べていない月4万5千円の「食費」が預金から引き落とされていた。 前任者は施設をほとんど訪れず、手続きをすれば男性が受給対象になる障害年金の手続きもしていなか
あなたは、手書きで「木」という字を書くとき、2画目はとめますか? それとも、はねますか? ある70代男性に聞いた話です。男性の孫が小学1年生のとき、漢字テストで「木」の2画目をはねて書いてバツをもらいました。それを見た男性は「これはおかしい。自分が子どもの頃は確かに2画目をはねると教わった」と思いました。 それで、孫の国語の教科書を見てみると、2画目がとめてありました。男性は「今はこう教えるのか……」と思いましたが、納得がいかないので自分の書道の教本も見てみました。すると、2画目がはねてありました。これはいったいどういうことなのでしょうか? 話を続ける前に、次の漢字を“手書き”で書く場合、どちらが正しいかについて考えてみてください。 「糸」の4画目はとめる? はねる? 「牧」の3画目はとめる? はねる? 「切」の2画目は曲げてからとめる? 曲げてからはねる? 「改」の3画目は曲げてからとめ
「私は短歌が好きです。一生好きです」 セーラー服姿の女性歌人・鳥居は涙を浮かべてそう口にした。2017年6月29日、短歌界で最も歴史ある「第61回現代歌人協会賞」授賞式の壇上である。 会場内にいるのは、スーツやドレスや和装に身を包んだ、いわゆる“短歌界の立派な人たち”ばかり。その中で、一見すると場違いにも思えるような鳥居だが、違和感を覚える者はほとんどいない。鳥居の短歌界での功績や、歌人としての実力、そして成人してもセーラー服を着続けている理由を、多くの人が知っているからだ。 鳥居の半生は、よく“壮絶”という言葉で表される。しかし、それは決して真実ではない。ほかに適切な言葉がないために「壮絶」と用いられるだけで、実際はもっと、もっと、辛くて悲しい。いったいどのようなものだったのだろうか。 学校から帰ると、母が倒れていた 鳥居は舞台女優の母と、脚本家を目指す父の間に生まれた。しかし、鳥居が2
東京都内で、知的障害がある女性をビルに連れ込んで乱暴したとして48歳の男が逮捕されました。女性は、およそ1年半の間に少なくとも4回被害を受けていたということで、警視庁は、男が抵抗したり被害を訴えたりできない女性に性的暴行を繰り返していたと見て調べています。 捜査関係者によりますと、去年とおととし、東京都内で知的障害がある30代の女性をビルのトイレに連れ込んで乱暴した疑いが持たれています。 宮崎容疑者は、この女性の自宅に侵入して乱暴したなどとしてすでに2回逮捕・起訴されていて、これまでの調べによりますと、女性はおよそ1年半の間に今回の事件も含めて少なくとも4回被害を受けていたということです。これまでの調べで、もともと女性とは面識がなく、通りかかった際に見かけたのがきっかけだということです。 警視庁は、抵抗したり被害を訴えたりできない女性に性的暴行を繰り返していたと見て調べています。捜査関係者
毎年9月は「障害者雇用支援月間」。障害者雇用の機運を広く醸成するため、「障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰」をはじめ、国や地方自治体中心にさまざまなイベントが各地で行われている。 2018年4月から精神障害者の雇用義務化に伴い、企業の障害者の法定雇用率は現在の2%から2.2%に引き上げられる。さらに、その後3年以内に2.3%にまで上がることも決まっている。こうした大きな変化を迎える中で、例年以上に「障害者雇用」について社会全体でじっくり考えていくべき年ともいえそうだ。 この時期に毎年発表しているのが障害者雇用率ランキングだ。今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2017年版で2015年度の障害者雇用率の回答があった1129社のうち3人以上障害者を雇用している991社を対象に作成した(『CSR企業白書』2017年版は600位まで掲載)。 1位は4年連続で食品トレーや弁当・総菜容器
新生児医療の発達に伴い、経管栄養やたんの吸引などの医療的ケアを日常的に必要とする子供が増えている。手薄だった支援の拡充が急務だ。 厚生労働省によると、「医療的ケア児」は約1万7000人と推計される。10年前の約1・8倍に上る。重篤な病気を持って生まれても救命できる医療技術が広まってきたからだ。 問題なのは、新生児集中治療室などから退院した後のサポート体制が整備されていないことだ。 医療的ケア児には、重い身体障害と知的障害を併せ持つ重症心身障害児が多く、その受け入れ施設は大幅に不足している。 加えて、近年は運動機能や知能の発達に遅れがない医療的ケア児が「見過ごされた障害児」として注目されている。重症児とみなされず、施設利用が制限される場合がある。重症児以外が通う施設も、ほとんど受け入れていない。 医療の進歩に制度が追いついていないのは明らかだ。 保育所や学校現場での支援も乏しい。たんの吸引な
ミャンマーで治安部隊による大規模な掃討作戦を受けている少数派のイスラム教徒ロヒンギャ。迫害が強まった今年、日本にも3人の親子が逃れてきた。だが、日本で難民として受け入れられるかは不透明だ。 千葉県市川市の住宅。ロヒンギャのサイド・アハメドさん(70)は故郷の惨状を伝えるニュースをスマホで見て、ため息を漏らした。今年5月、家族3人で日本へ逃れてきた。 「人として安全に住めるなら故郷に戻りたい。でももう無理だ。戻る場所がないんだから」 故郷はミャンマー西部ラカイン州。国境沿いのマウンドーにある村で、先祖代々暮らしてきた。昨年10月、近くの村が治安部隊によって焼き払われ、住民らが逮捕された。親戚の1人も捕まった。大規模な掃討作戦のはじまりだった。 12月、警察署にアハメドさんの名前が手配対象として張り出された。小学校の校長を務め、軍政に反対した過去がある。逮捕を逃れるため、親族の家を転々とし、年
実は「非効率」を求めるポストフォーディズム 熊谷 ここ30年で自閉スペクトラム症=注<3>=の人の数は何十倍にも増えています。以前は健常者とされた人も、今は生きづらくなっていることを示唆します。今は昔なら個性と思われたこと、例えば友達と仲良くできない子供や先生のいうことを聞かない子供が、発達障害ではないかと専門機関を紹介される傾向が目立ちます。高度成長期は、マニュアル通り同じ作業を続けられる労働者こそが理想だった。機械化の進展で人間に要求される能力がコミュニケーション重視になり、黙々と同じことをする傾向の人は、こだわりが強すぎると否定的に扱われだした。この空気が若い人の人間関係などにも浸透しています。 また、人は自らの過去と切断されないからこそ、一貫性を持った価値観を維持できますが、今のポストフォーディズム社会=注<4>=では、あっさり過去を手放して、次々と新しい価値に飛びつく労働者・消費
シリコンバレーの有名なスタートアップインキュベーターであるY Combinatorは、同社が予定しているベーシックインカムの実験について詳細を明らかにした。 同社は3000人の参加者を2つの州から集め、彼らを2つのグループに分ける。最初のグループの1000人は、最大5年にわたって、月1000ドル(約11万円)を受け取る。2つめのグループの2000人、実験では「コントロール・グループ」と呼ぶ2000人は、月に50ドルを受け取る。 実験のゴールは、「無条件でお金を受け取った人のクオリティ・オブ・ライフと仕事へのモチベーションはどうなるのか?」というシンプルだが、悩ましい問題の答えを見出すこと。 Y Combinatorの社長サム・アルトマン(Sam Altman)氏は2016年5月、同社ブログで、全市民が無条件で一定額のお金を受け取る、富の分配システム「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UB
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