サウジアラビアは3月4日にメッカへの巡礼を禁止した(写真はその前日3日のメッカの巡礼の様子) Ganoo Essa-REUTERS <新型コロナウイルスの感染が広がる今こそ、国際的な協調が求められる時だが、中東では歴史的に国際政治と感染症が密接に関係してきた> 新型コロナウイルスの感染拡大が、世界中を恐怖に陥れている。今やパンデミックの中心は欧米諸国に移った感があるが、東アジアでの発生から欧米へと移行する過程で、中東でも感染拡大が止まらない。 中東で最初に感染者が出たのは2月14日、エジプトにおいてである。これはエジプトを訪問した中国人から感染が広がったものだった(3月19日現在の感染者数210人、死者4人以上)。3月に入ると、ナイル・クルーズで観光客の間に拡大した感染が日本にも広がった。アジア発の感染という点では、イスラエルでの例がはっきりしている。2月21日に「ダイヤモンド・プリンセス