「このところ天然ガスの補充は難しくなる一方だ。早く何とかして欲しい」。そうこぼすのは、安徽省六安市のタクシードライバーの李翰だ。彼が列に並んでから2時間余りが過ぎたというのに、目の前にはまだ40~50台のタクシーがいる。六安市のガススタンドの前では、毎日数百台のタクシーが李翰と同じようにじっと順番を待っている。 天然ガス不足に見舞われているのは安徽省だけではない。それは全国に広がりつつある。 一介のタクシードライバーである李翰には知るよしもないが、安徽省に天然ガスを供給しているパイプライン「西気東輸1号線*」は、実は輸送力が既に限界に達しているのだ。「現在のような需給逼迫は春節(中国の旧正月)明けまで続きそうだ」と、中国石油タリム油田公司の営業部門の幹部は話す。「短期的な解決策は、ガスの供給価格を上げて需要を減らすしかない」と、中国石油のパイプライン専門家は言う。 *「西気東輸」は、中国の
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