環境省は11日、北海道羽幌町の天売島で、絶滅の危険性が高まっているウミガラス(オロロン鳥)のひな9羽が生まれたと発表した。天売島は国内で唯一、ウミガラスの繁殖が確認され、同省が2001年から保護増殖事業を行っている。 環境省の羽幌自然保護官事務所が、繁殖場所に設置した観察用ビデオカメラで、6月29日から7月1日にかけて9羽のひなが誕生したのを確認した。ビデオカメラには、7日までに体長約10センチのひなが羽ばたく練習をしている様子が写っているという。順調に育てば7月下旬から巣立ち始めるとみられる。 ウミガラスは北大西洋の亜寒帯海域などに分布する体長約40センチの海鳥。繁殖のため天売島へは約50年前には推定8千羽が飛来していたが、近年は20羽前後に激減。環境省のレッドリストで絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧IA類」に分類されている。