ギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリア等「周辺国」の財政危機・金融危機によって長らく停滞を脱することができずにいたユーロ圏経済だが、昨年半ば以降、ようやく回復の芽が出てきたとの見方が台頭している。確かにこのところのユーロ圏の景況観指数(総合PMI)をみると、2013年12月時点で52.1と、2013年7月以来、6ヵ月連続で景気判断の分かれ目となる50を上回っている。 ただし、主要国で明確に景気回復基調が強まっているのはドイツくらいである。財政危機に苦しんできたスペイン等の周辺国、及び中心国でもフランスは、加速度的な景気悪化の局面は脱しつつあるものの、まだまだ景気回復とは言い難いというのが現実であろう。 だが、ここにきて、ユーロ圏経済に大きな変化が訪れている。それは、「ユーロ内不均衡の是正」である。すなわち、従来の「ドイツ、オランダの経常収支黒字・他国の経常収支赤字(しかも黒字幅、赤字幅と
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