公共事業に関する議論が盛んなようだね。ケインズやナイトの言う不確実性は、需要や価格についてのべき乗則リスクであり、いわば、経済はべき乗則に脅かされ、デフレなどの不合理が生じている。他方、災害にもべき乗則が潜んでおり、公共事業はこれに備えるものという性質を持っている。 べき分布は、平均値が無意味で、分散が無限大だから、どの程度の備えがあれば十分かを設定できない。したがって、需要リスクには、経験値で「余裕」を持って備えるしかなく、これは必然的に不効率をもたらすことになる。合理的に期待を形成し、利益を取り尽くすことなど無理な話なのだ。 防災の場合も、今後、どれほどの地震が襲ってくるかは、べき乗則に従うので、正直、予想がつかない。東日本大震災を経験して初めて、これほどのものもあるのだと知るのみである。例えば、耐震基準を、かつての関東大震災レベルから阪神大震災レベルへと、後追い的に上げて来たのも、や
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