当時僕は28歳だった。 当時僕は翌週に29歳の誕生日を控えていた。 もうすぐ20代も終わる、周りも結婚し始めている、そんな状況にやや焦りを感じていた。 そして、28歳にやり残したことはなんだろう、と考えて出た答えがデリヘルだった。 一人暮らしをしていたし、女の子を呼んだこともある。 風俗にも少ないけれど行ったこともある。 しかしそういえば、デリヘルを呼んだことはなかった。 当時はそんなに女の子に不自由していなかったし、徐々に性欲も衰えてきていたし、 何よりデリヘル業者に自宅がバレるのが怖かったのだ。 しかし、もう28歳も終わる。もうビビッている場合ではない。 リスクを背負わないと何も得れないんだぜ、と自分を勇気付けた。 そして、デリヘルを呼んだことがない人生よりは、 デリヘルを呼んだことのある人生の方が豊かに違いない、との結論に至った。 誕生日の前の最後の休日、この日を自分のデリヘル記念日