六本木にて。初日。公開前からいろいろと話題になっており、先行して試写を見終えた人たちからは「完全に打ちのめされた」「衝撃的なものを見たことは事実だが、二度と見たくない」といった感想が連続、個人的にもひさしぶりに見るのが怖い種類の映画でした。初日の劇場には舞台挨拶で平野監督が来ており、作品を見終えた後、出口で観客を待っている監督と握手をしたのですが、監督の顔を見たとたん声がかすれてでなくなってしまいました。亡くなってしまった女優・林由美香と、監督・平野勝之の関係性を描くドキュメンタリー。 林という女性は、平野にとって創造性の触媒のような役割を果たしており、彼女の存在が作品を生むきっかけとなる。ドキュメンタリーは、林と平野の自転車旅行や、その後の交流の描写を中心に進んでいくが、そこで描かれるのは林と平野の関係性であり、平野の周囲にいる何人かの人物(林の母親を含む)についてであり、ひいては「なぜ